簿記1級は意味ない・やめとけって本当?4回受験で取った私の本音

「簿記1級なんて意味ない」「やめとけ」と検索したあなたは、これだけ難しい資格に、貴重な時間とお金をかける価値が本当にあるのか、不安になっているのだと思います。

私は偏差値40ほどの高卒で、3回の不合格を経て、4回目でようやく日商簿記1級に合格しました。累計の勉強時間は3,168時間、期間にして2年ちょっと。正直に言うと、「意味ない」と言われる理由には、私もうなずける部分があります。

この記事では、ネガティブな評判の理由をごまかさずに認めたうえで、それでも私が「取ってよかった」と感じている本音と、どんな人になら本当におすすめできるのかを、体験ベースでお話しします。

この記事の結論

簿記1級は「目的がある人」には強力な武器になりますが、誰にとっても得をする資格ではありません。意味があるかどうかは、あなたの目的しだいで決まります。

  • 経理に就職・転職したいだけなら、まずは簿記2級+実務経験で十分なことが多い
  • 会計の本質まで理解したい・税理士や証券アナリストなど上を目指すなら、1級は最高の土台になる
  • 結局「意味ある/ない」は目的しだい。1級は自分で意味を作っていく資格
目次

なぜ「簿記1級は意味ない・やめとけ」と言われるのか

最初に、少し耳の痛い話からしておきます。「意味ない」「やめとけ」と言われるのには、ちゃんとした理由があります。ここをあいまいにしたまま勉強を始めると、合格しても「思っていたのと違った」とがっかりしかねません。まずは正直に見ていきましょう。

独占業務がなく、資格手当もつきにくい

簿記1級には、税理士や公認会計士のような「その資格がないとできない仕事」、いわゆる独占業務がありません。持っているからといって、特定の仕事を独り占めできるわけではないのです。

会社の資格手当も、対象が簿記2級まで、というところが少なくありません。「1級を取れば毎月の手当が増えるはず」と期待していると、肩透かしを食らうことがあります。この「取っても直接お金に結びつきにくい」点が、まず1つ目の理由です。

求人の応募条件は「簿記2級」が多い

経理職の求人を見てみると、応募条件は「簿記2級以上」と書かれているものがほとんどです。「簿記1級必須」という求人は、実はあまり多くありません。

理由はシンプルで、日々の実務で使う知識の多くは、2級の範囲でカバーできてしまうからです。1級で学ぶ連結会計や原価計算の応用論点は、扱う場面が限られます。「1級を持っていないと経理になれない」わけではない、という現実は、先に知っておいたほうがいいでしょう。

合格率10%前後の難関なのに、見返りが小さく見える

日商簿記1級の合格率は、回によって上下しますが、おおむね10%前後です。受験者の約9割が落ちる難関で、合格までに数百時間、人によっては千時間以上かかります。

それだけ苦労して取っても、独占業務もなく、手当にも結びつきにくい。この「労力と見返りのギャップ」こそが、「コスパが悪い」「やめとけ」と言われる最大の理由です。どれくらい難しい試験なのかは、別の記事でも詳しく書いています。

数字で見る簿記1級の現実(年収・転職)

感情論だけでなく、データの面からも見ておきましょう。ここは冷静に、事実をお伝えします。

簿記1級と2級では、平均年収に差がある

ある転職サイトの調査では、簿記1級保有者の平均年収は、2級保有者より100万円ほど高い、というデータが紹介されています。数字だけ見れば、1級にもしっかり価値がありそうです。

ただし、ここは注意して読む必要があります。年収が高いのは、「1級を持っているから」だけが理由ではありません。1級を取るような人は、もともと学習意欲が高く、実務経験も積み重ねている人が多い。資格はあくまで要素の1つであって、「1級を取れば自動的に年収が上がる」と単純に考えるのは危険です。

「実務経験なしの1級」より「実務経験ありの2級」が強い場面も

転職の現場では、「実務経験のない1級保有者」よりも、「実務経験のある2級保有者」のほうが評価される、という場面が実際にあります。

採用する側がいちばん見ているのは、「入社後すぐに戦力になってくれるか」です。資格の級だけで採否が決まるわけではありません。だからこそ、「1級さえあれば転職は安泰」という考え方は、現実とは少しズレています。資格と実務経験は、両輪で考えるのが正解です。

それでも私が「取ってよかった」と思う3つの理由

受験生

3回も落ちて、そこまで苦労して取る意味なんて、本当にあるんですか…?

ぶんぶん

正直、『意味ない』と言われる理由もわかるよ。でも僕は、取って本当によかったと思ってる。数字に表れない価値も含めて、その理由を話すね。

ここまで読むと、「やっぱり意味ないのでは?」と感じるかもしれません。でも、私自身は心から「取ってよかった」と思っています。数字には表れない、その理由を正直にお話しします。

3回落ちても受かった経験が、自分の自信になった

私はもともと自己肯定感が低く、「学歴も取り柄もない」と思い込んでいました。職場でもうっかりミスが多く、怒られてばかり。そんな自分が、3回落ちても諦めずに、合格率10%の試験に受かったのです。

点数は、28点、55点、68点、70点。1回目なんて、合格ラインの70点に遠く及ばない28点でした。それでも回を追うごとに着実に伸ばし、4回目でゴールにたどり着いた。この「最後までやり遂げた」という事実は、何よりの自信になりました。不思議なもので、自分に自信がつくと、周りの反応も少しずつ変わってきます。

会計の本質がわかり、決算書が読めるようになった

2級までは、正直なところ「ルールを覚えて解く」感覚が強かったです。でも1級では、「なぜこの処理をするのか」という背景まで踏み込みます。

おかげで、企業の決算書(財務諸表)を見たときに、「この会社は何で稼いで、どこにお金を使っているのか」が読めるようになりました。ニュースで流れる企業の業績も、自分の頭で解釈できる。これは、2級まででは得られなかった感覚です。会計を「暗記」ではなく「理解」できるようになったことは、1級の大きな収穫でした。

証券アナリストなど、次の挑戦への扉が開いた

簿記1級で会計の土台ができたおかげで、その先の勉強にもスムーズに入れました。私はいま、証券アナリスト(CMA)の試験にも挑戦しています。簿記1級で財務・会計を固めていなければ、ここまで来られませんでした。

合格したあとに、「会計の本をもっと読みたい」「企業分析をしてみたい」という前向きな目標が、自然と出てきました。資格そのものより、その先に世界が広がったことのほうが、私にとっては大きな価値だったのです。

「やめとけ」が当てはまる人・取る価値がある人

結局のところ、簿記1級が「意味ある」か「意味ない」かは、あなたの目的しだいで変わります。タイプ別に整理してみましょう。

こんな人は、無理に取らなくていい

  • 経理に就職・転職したいだけの人。多くの求人は2級で応募できます。まずは「2級+実務経験」を優先したほうが、近道になることが多いです。
  • 資格手当やすぐの昇給が目的の人。先ほど書いたとおり、1級は手当に直結しにくいのが実情です。
  • 明確な目的がなく、「なんとなくスキルアップ」で考えている人。1級は勉強期間が長く、途中で挫折しやすい難関です。目的があいまいなままだと、つらくなったときに踏ん張れません。

こんな人には、強くおすすめできる

  • 会計の本質まで理解して、決算書をしっかり読めるようになりたい人。
  • 公認会計士・税理士・証券アナリストなど、その先の難関資格を目指す人。1級は最高の土台になります。
  • 「難関を突破した」という自信や実績が、その後の自分を支えてくれる人。私は、まさにこのタイプでした。

簿記1級は、目的がはっきりしている人ほど、「取ってよかった」と感じやすい資格です。逆に、目的がないまま「とりあえず」で挑むと、「意味なかった」と感じやすい。同じ資格でも、受け取り方は人によって正反対になります。

簿記1級についてよくある質問

最後に、簿記1級を考えている人からよく聞かれる質問に、まとめてお答えします。

簿記1級は独学でも取れますか?

取れますが、それなりの覚悟は要ります。私は最初の1年を通信講座(ネットスクール)で固め、後半を独学に切り替えました。最初の土台づくりだけでも講座の力を借りると、挫折しにくくなります。

簿記2級と1級、どちらを優先すべきですか?

目的しだいです。経理に就職・転職したいだけなら、まずは2級+実務経験で十分なことが多いです。会計の本質まで理解したい、税理士や証券アナリストを目指したい人は、1級まで進む価値があります。

簿記1級を活かせる仕事や進路は?

経理・財務・会計事務所などが代表的です。さらに日商簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格(学識による受験資格)が得られます。会計の上位資格へ進む入口になるのが大きな価値です。

まとめ:簿記1級は「意味」を自分で作る資格

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 「意味ない・やめとけ」と言われる理由は事実(独占業務なし・手当に結びつきにくい・求人は2級が中心)
  • 年収データ上は価値があるが、「1級だけで年収が上がる」わけではない
  • それでも、自信・会計の本質理解・次の挑戦への扉という、数字に出ない価値は大きい
  • 取る価値があるかどうかは「目的」しだい。経理就職だけなら2級+実務、その先を目指すなら1級が効く

私は偏差値40の高卒から、通信講座(ネットスクール)で土台を作り、後半は独学に切り替えて、3回の不合格を乗り越え、4回目でようやく合格しました。決して器用なタイプではありません。それでも続けてこられたのは、「コツコツが勝つコツ」だと信じていたからです。

「意味ない」かどうかは、他人が決めることではありません。最後は、あなた自身が目的を持って、自分で「意味」を作っていくものだと思います。もし挑戦すると決めたなら、難易度や必要な勉強時間、つまずいたときの乗り越え方も、別の記事で具体的にお話ししています。あなたの一歩を、応援しています。

ぶんぶん

ここまで読んでくれてありがとう。『意味ない』と言われがちな簿記1級だけど、僕は4回受験して取って本当によかったと思ってる。その全部をまとめたKindle本(『日商簿記1級勉強法【改訂版】』)も出してるから、よかったらどうぞ。

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この記事を書いた人

低偏差値高校卒業し、社会に出て『発達障害』と診断される。
人生逆転させるため心機一転、日商簿記検定に挑戦するが、簿記3級に4回落ちて絶望。
諦めず挑戦した結果、簿記の最高峰の『日商簿記1級』と『全経簿記上級』に合格する。

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