「日商簿記1級って通信講座を使えば1回で受かるの?」と検索した方へ。
低偏差値・発達障害・社会人で、ネットスクールの教材を中心に通信講座で学習していた私が、4回目(167回試験)でやっと70点で合格するまでに費やした時間は約3,168時間でした。この記事では、合格までの平均的な受験回数、私が積み上げた3,168時間の使い方、各回の本当の点数推移、何回受けても通信講座を続ける価値について、ネット上のデータと実体験の両面から本音で語ります。「自分は何回かかるんだろう」と不安な方の参考になれば嬉しいです。
日商簿記1級は通信講座で何回目に受かるのが普通か
公式合格率10%が物語る「1発合格」の確率
日本商工会議所が公表している日商簿記1級の合格率は、ここ数年おおむね8〜13%で推移しています。100人受けて10人前後しか受からない試験です。
しかも、この10%という数字には「過去に何度も受験している経験者」が含まれています。つまり、初受験で合格する人だけに絞ると、その割合はもっと低くなる、というのが受験生の肌感覚です。
通信講座のパンフレットを見ると「最短〇ヶ月で合格」「効率的なカリキュラム」という言葉が並んでいて、まるで1回で受かるのが当たり前のような印象を受けます。でも実際の合格率データが示しているのは「10人中9人は落ちる試験である」という冷たい事実です。
SNS・ブログ・体験記から集めた合格までの受験回数サンプル
X(旧Twitter)やブログで「簿記1級 合格」と検索して、合格者が何回目で受かったかをざっくり集計してみました(私の手集計なので参考程度に)。
– 1回目で合格:約25%
– 2回目で合格:約30%
– 3回目で合格:約20%
– 4回目以降で合格:約25%
体感では「2〜3回目で受かる人がボリュームゾーン」という印象です。1回目で受かる人もいますが、その多くは公認会計士の勉強と並行している人や、簿記2級から直結で1級専門カリキュラムに入った大学生など、勉強時間を確保しやすい属性の方が多い印象でした。
社会人で初受験合格できる人は、私が見た範囲だとかなりの少数派です。
結論:通信講座を使っても1回で受かる人は3割いるかどうか
通信講座を使えば独学よりは合格率は上がります。質問できる相手がいる、講師の解説でつまずきを最小化できる、テキストの構成が初学者向けに練り込まれている、というのは大きな武器です。
ただ、それでも「1回で受かる」とは別の話です。日商簿記1級は、量も難易度も「数ヶ月の勉強で1発合格できる試験」ではないというのが、4回受験した私のリアルな感想です。
検索してこの記事にたどり着いた方は、まずこの前提を受け入れるところからスタートすると、メンタルが安定します。
私が通信講座で4回目に合格するまでの全記録
ここからは、私が162回・164回・165回・167回の4回を受験した実際の記録を、そのままお見せします。
1回目(162回)— 無職期間に1,536時間を投下、結果は28点
簿記2級に受かった勢いで「次は1級だ」と決意し、ネットスクールの「とおるテキスト4冊」を中心に勉強を開始しました。
このときは無職期間で時間だけはあったので、8ヶ月で**累計1,536時間**を投下。「これだけやれば受かるだろう」と思って初受験へ。
結果は、100点中28点。合格ラインは70点なので、ダブルスコアどころか3倍近い差で負けたような感覚でした。
このとき初めて、簿記1級と2級の間にある「断絶」を肌で理解しました。2級までの延長線上にはない、別次元の試験だったのです。
2回目(164回)— アルバイトしながら追加825時間、55点まで盛り返す
初受験の敗因を「インプット偏重で問題演習が足りなかった」と分析。アルバイトをしながら7ヶ月で追加825時間(累計2,361時間)を積み上げました。
ネットスクールの「とおるトレーニング4冊」に加え、TAC「合格トレーニング6冊」も追加して、とにかく問題を解く量を増やしたのがこの時期。
結果は55点。前回の28点から27点アップ。合格には届かなかったものの、ようやく試験の輪郭が見えてきた、という手応えがありました。
3回目(165回)— 職業訓練期間に追加702時間、68点で「あと2点」
職業訓練に通いながら6ヶ月で追加702時間(累計3,063時間)。
このときは過去問の精度を上げることに集中。ネットスクールの「誰でも解ける過去問題集」「講師が選んだ過去問題集」に加え、TAC「125〜165回過去問」を周回しました。さらに「財務会計講義」「原価計算」などの専門書も読み込んで、論点の本質理解にも力を入れました。
結果は68点。合格ラインの70点まで、たった2点足りないという、これはこれで悔しい結果でした。
ただ、ここまで来て初めて「次は受かるかもしれない」という現実味のある手応えを掴めたのも事実です。28点 → 55点 → 68点と、明らかに上昇曲線を描いていました。
4回目(167回)— 就職後1ヶ月の追加105時間、ついに70点で合格
3回目の「あと2点」から、就職して環境が大きく変わりました。
平日にまとまった勉強時間を取るのが難しくなる中、**残り1ヶ月で追加105時間**(累計3,168時間)。短期決戦で挑んだ4回目(167回試験・2025年2月)でした。
試験当日、工業簿記で資料の多さに頭が真っ白になり、一瞬「また落ちた」とよぎりました。それでも過去3回の経験から「資料が多い問題でも、問われていることは案外単純」と判断して最後まで諦めずに解答。原価計算では予算実績差異分析を落としたものの、最適セールス・ミックスで挽回しました。
結果:
– 商業簿記:18点
– 会計学:20点
– 工業簿記:16点
– 原価計算:16点
– 合計:70点でギリギリ合格
合格までの全工程は、別記事「【167回】低偏差値の日商簿記1級合格体験記」と「【総勉強時間3000時間超え】日商簿記1級受験生時代」にも詳しく書いています。
3,168時間の中身を全公開:何にどれだけ使ったか
時間の使い方を、私の場合の比率でざっくり整理します(厳密に計測したわけではなく、感覚値です)。
インプット中心の初期1年(約1,500時間)
最初の1年はネットスクール「とおるテキスト4冊」を回しながら、論点を理解することに時間を使いました。
ここで気づいた重要な事実は「テキストを読んでいるだけでは点数は上がらない」ということです。事実、この時期に投下した1,500時間で取れたのは初受験の28点。インプットだけでは試験には太刀打ちできませんでした。
アウトプット中心の中期(約1,000時間)
2回目以降は問題演習にシフト。ネットスクール「とおるトレーニング4冊」、TAC「合格トレーニング6冊」を周回しました。
このときに使った教材リスト:
– ネットスクール「とおるトレーニング4冊」
– TAC「合格トレーニング6冊」
– TAC「管理会計論テキスト」(会計士向け)
– 「財務会計講義」「原価計算」などの専門書
時間が経つにつれて、「問題を解く → 間違える → テキストに戻る」というサイクルが定着していきました。
過去問・予想問題に集中する後期(約500時間)
3回目以降は過去問・予想問題の周回が中心。
このときに使った教材:
– ネットスクール「誰でも解ける過去問題集」「講師が選んだ過去問題集」
– TAC「125〜165回過去問」「出題パターンでマスター過去問」「予想問題集」「網羅型予想問題集」
– ネットスクール「ズバリ的中予想模試」
メルカリで古い過去問や会計士・税理士の教材を購入して、解ける問題の幅を広げる工夫もしました。
短期決戦の直前期(約100時間)
就職してから合格までの1ヶ月。平日は仕事終わり、休日は朝から、というスタイルでこなした105時間。
意外なことに、ここでの追い込みが効きました。3,000時間以上を積み上げた後の1ヶ月は、知識の確認と試験勘の取り戻しが中心になり、効率が一気に上がった印象です。
何回目で受かるかを左右する3つの要素
勉強時間の絶対量(社会人なら2,500〜3,000時間が目安)
簿記1級の必要勉強時間は、巷では「500〜1,000時間」と言われていますが、これは「効率的に勉強できる人」の目安です。
私の3,168時間は、確かに多いほうだと思います。ただ、私の周りの「実際に合格した社会人」に聞いた感覚値だと、累計2,500〜3,000時間あたりに着地する人が結構います。
通信講座のカリキュラム通りに進めれば500〜800時間で「一通り終わる」のは事実ですが、そこから本試験で点数を取れるレベルに引き上げるには、さらに同じくらいの時間が必要、と覚悟しておくと挫折しにくいです。
通信講座の使い方(テキストを揃えるだけでなく演習を回す)
通信講座は「テキストを揃えて満足する」だけでは合格できません。
私の場合、ネットスクール教材を中心に、TACの問題集、専門書、メルカリで仕入れた古い過去問など、複数のソースを組み合わせて勉強しました。
通信講座のテキストは「論点を漏れなくカバーする」ためのベースラインで、それを使って実際に手を動かす時間こそが合否を分けます。テキストを読んで「分かった」と思っただけでは、本試験では1点も取れません。
メンタル管理(落ちた後にどう立ち直るか)
簿記1級の最大の敵は、実は「落ちた後にもう一度立ち上がれるか」です。
私の場合、3回連続で落ちた後、特に「68点であと2点」の3回目の不合格通知を見たときは、正直「もう諦めようかな」と本気で考えました。
ここで効いたのは、体調管理と無理のないペース配分です。1日のうち30分の昼休憩を必ず取る、午後は集中力が落ちるので朝に重要論点を回す、カフェへの自転車移動を気分転換にする、といった工夫で長期戦に耐える環境を作りました。
「メンタルコントロールができる人が試験を制する」というのが、私の4回受験を通した実感です。
4回受験して気づいた「通信講座でも落ちる人」3パターン
パターンA — テキストを読んで理解した気になる
これは1回目の私です。
ネットスクールのテキストを読むと「あ、分かった」と感じます。でも実際に問題を解こうとすると手が動かない。これは「理解した」のではなく「理解できた気がした」だけの状態です。
対策はシンプルで、テキストの章を読んだらすぐに対応する例題を自分の手で解くこと。読み終わってから問題集に取り掛かるのではなく、章ごとに手を動かす、というルールを徹底すると、この罠を回避できます。
パターンB — 出題されないことを祈る論点を作る
3回目までの私が抱えていた弱点が「業務執行的意思決定」と「部門別個別原価計算」でした。難しすぎて、本当は「出題されないことを祈っていた」のですが、3回目の試験で両方とも出題されて足切りになりかけました。
苦手論点を逃げ続けるのは時間稼ぎにしかなりません。本試験は容赦なく出してきます。早い段階で「これが苦手」と特定したら、そこに集中投下する勇気が必要です。
パターンC — 過去問演習を後回しにする
「テキストを完璧に仕上げてから過去問へ」というのが、王道に見えて実は罠です。
テキストを完璧にしてから過去問に入ると、テキスト終了時点で力尽きます。
正解は「テキストを8割やったら、並行して過去問を解き始める」です。過去問を解くことで、テキストのどこが本試験で問われるかが見えてきます。そこから逆算してテキストの優先順位を決められるようになります。
過去問の具体的な使い方は、別記事「【日商簿記1級】低偏差値流過去問の使い方」に詳しく書いています。
それでも諦めない人へ:何回目でも受かれば勝ち
受験回数は採用や評価に一切響かない
「4回も受けて受かったなんて、恥ずかしくないですか?」と聞かれたことがあります。
答えは、まったく恥ずかしくありません。履歴書や面接で「日商簿記1級」と書くとき、何回目で受かったかなんて誰も聞きません。1回で受かろうが4回で受かろうが、保有資格欄では同じ1行です。
転職市場で見られるのは「合格しているか/していないか」だけ。受験回数で減点されることは一度もありませんでした。
通信講座の教材投資は「合格までの安心料」
教材費やテキスト更新で追加コストがかかるとき、「またお金がかかるのか」と思うかもしれません。
でも考え方を変えれば、「合格するまで自分を支えてくれる仕組み」に対して払う料金です。
合格して資格を手に入れる価値(経理職への転職・年収アップ・自分への自信)と比べたら、教材投資は安すぎる投資です。
結論:通信講座×複数回受験こそ最強コスパ
「独学で1回合格」が理想です。費用も時間も最小で済みます。
でも現実には、独学で簿記1級に1回で受かるのは天才の領域です。
凡人の私たちにとっての最適解は、「通信講座の教材をベースに、必要なら2回でも3回でも4回でも受ける」というスタンスです。これが、結果として一番良いです。
ただし、そんなにお金を予備校に払い続けられないというのが現実。「経験者コース」などというものは不要だと私は思っております。
私が実際に使ったネットスクールの教材レビューは、別記事「【元受講生がレビュー】ネットスクール日商簿記1級講座の評判は高い?」にまとめています。通信講座選びで迷っている方は参考にしてみてください。
まとめ
最後に、この記事のポイントを箇条書きで整理します。
– 日商簿記1級は通信講座を使っても、1回で受かる人は3割いるかどうか
– 私(ぶんぶん)は4回受験・3,168時間で70点合格。各回の点数は28点 → 55点 → 68点 → 70点と段階的に上昇
– 合格までの勉強時間は、社会人で2,500〜3,000時間が一つの目安
– ネットスクール教材を中心に、TAC問題集・専門書を組み合わせて使った
– 通信講座のテキストは「揃えるだけ」では効果半減。手を動かす演習量こそが合否を分ける
– 苦手論点を「出題されないことを祈る」のは最悪の戦略。早めに特定して集中投下
– 「落ちた後に立ち直る力」が、長期戦の最大の武器
– 受験回数は履歴書や面接で問われない。合格すれば勝ち
「今、自分が何回目を受けようとしているか」は気にしなくて大丈夫です。気にすべきは「合格までの2,500〜3,000時間を、自分のペースで積み上げられるか」だけ。通信講座は、その長旅を一緒に走ってくれるパートナーです。
通信講座の選び方が気になる方は、私が実際に受講したネットスクールのレビュー記事「【元受講生がレビュー】ネットスクール日商簿記1級講座の評判は高い?」もあわせて読んでみてください。料金・テキスト・サポート体制の実態をまとめています。
私と同じように何回も落ちて、それでも諦めずに教材を開き続けている方が、いつか合格通知を手にできるよう、心から応援しています。

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