証券アナリスト1次試験の難易度は『簿記1級より楽、でも油断したら落ちる』|2026年受験者が正直に語る

「証券アナリスト1次試験って、結局のところ難しいの?」と検索した方へ。

公式の合格率は40〜55%と数字だけ見ると「ちょっと頑張れば届く試験」に見えますが、簿記1級ホルダーの私が1年間・約1,200時間をかけて2026年春の1次試験を受けてきた体感は「簿記1級より楽。でも舐めると普通に落ちる」というのが正直なところです。

「楽」と感じた最大の理由は、証券アナリスト1次が「理解なしの暗記でも合格できる試験」だからです。理解しないと1問も解けない簿記1級と違って、公式と用語を覚えるだけでも合格圏に届きます。私は理解しながら進めた結果1,200時間かけましたが、暗記に振り切れば半分以下の時間でも受かる試験です。

この記事では、公式合格率の本当の意味、3科目それぞれの難易度、LECの通信講座と過去問10年分(20回分)に費やした時間と教材、当日の手応え、そして「数字以上に難易度を押し上げる落とし穴」を、合格発表を待つ受験生のリアルタイム視点で書いていきます。「合格率40%超だし楽勝でしょ」と思っていた過去の自分に向けて、本音で語ります。

目次

証券アナリスト1次試験の難易度を数字で見る

公式合格率は40〜55%、それでも「簡単ではない」と感じる理由

日本証券アナリスト協会が公表している1次試験の合格率は、ここ数年おおむね40〜55%で推移しています。100人受けて半分弱が受かるという数字だけ見ると、簿記1級の合格率10%前後と比べてかなりラクに見えます。

でも、私が試験を終えて思うのは「数字ほどラクじゃない」です。

合格率40%超は、3科目それぞれの足切り点(協会非公表、合格者の体感では各科目4〜5割正解が目安と言われています)を全部超えないと達成できません。1科目でも崩れたら不合格。3科目同時に押さえないといけない、というのが数字に出てこない難しさです。

「半分受かる試験」というのは正確には「半分の人は3科目全部の足切りを突破できた」という意味で、決して「半分の問題が解ければ受かる」試験ではありません。

必要勉強時間は200時間、は本当か

ネットで「証券アナリスト 1次 勉強時間」と調べると、200〜300時間という数字がよく出てきます。

私はこの数字を見て「半年もあれば余裕でしょ」と思って勉強を始めましたが、結果として1年間で約1,200時間を投下しました。相場の4〜6倍です。

積み上げペースは以下の通りです。

・平日:1日2時間

・土日祝:1日6時間

・期間:1年間

ざっくり計算すると、平日2時間×約245日=約490時間、土日祝6時間×約120日=約720時間で、合計1,200時間オーバーです。

科目別の時間配分はだいたいこんな感じです。

・証券分析:約600時間(範囲が広く一番時間を吸う)

・経済:約350時間(数学の復習込み)

・財務分析:約250時間(簿記1級組のアドバンテージで圧縮)

簿記1級の貯金があってこの時間です。簿記の知識がない状態でゼロから始める場合、財務分析だけでプラス150時間以上は普通にかかる試験だと思います。

「200時間で合格」という相場は、業務で日常的に金融商品を扱っている人、もしくは大学で経済学を専攻していた人を前提にした数字です。ゼロベースの社会人だと、私のように3〜5倍は見ておく方が安全だと身をもって感じました。

なお、私の1,200時間は「理解しながら進めた」場合の数字です。「とりあえず1次合格だけ取ればいい」と割り切って暗記特化で進めれば、半分以下の500〜600時間に圧縮することも可能です。この点は試験の本質に関わる話なので、後の章で詳しく書きます。

受験者層が「ガチ勢」だから合格率の見方を間違える

これが一番大事なポイントです。

証券アナリスト試験を受ける人の多くは、証券会社・銀行・保険会社の社員、もしくは経済学部・商学部の大学生です。会社命令で受けている人、業務知識として習得済みの人、大学で関連科目を履修済みの人、いわゆる「ガチ勢」が母集団の大半を占めます。

その母集団で40〜55%の合格率です。

簿記1級が「初学者も多い中で10%」だとすれば、証券アナリスト1次は「素養のある人が大半の中で50%」。母集団のレベルが違うので、合格率の数字を額面通りに比較してはいけません。

「自分は会計や経済の予備知識がほぼゼロ」という方は、合格率40〜55%という数字を見て「半分くらいは受かるんだ」と気を抜くと、相応のしっぺ返しを食らいます。

科目別の難易度ランキング(私の体感)

財務分析:簿記の知識があれば一番ラク

簿記1級ホルダーの私から見て、3科目で一番ラクだったのが財務分析です。

財務分析の中身は、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の読み方、各種財務指標(ROE、ROA、流動比率、自己資本比率など)、企業価値評価の基礎です。簿記1級でやる連結会計やキャッシュフロー計算書の論点と8割くらい重なります。

簿記1級組であれば、新しく覚えるのは「指標の名前と公式」だけ。財務諸表そのものの読み方は既に身についているので、ほぼ復習感覚で進められます。

逆に言えば、簿記の素養がない人にとっては、ここが最大の壁になります。「貸借対照表ってどう読むんだっけ」から始まると、勉強時間が一気に膨らみます。

経済・確率統計:高校数学の苦手意識で難易度が激変する

経済・確率統計科目は、ミクロ経済学とマクロ経済学、確率統計の基礎が中心です。

ここで多くの受験生が躓くのが「微分・偏微分・グラフ読み取り」です。私自身、最終学歴は美容専門学校で、高校数学の数Ⅲどころか数ⅡBもまともにやっていません。

幸い、社会人向けの数学講座を1周してから挑んだので、「微分は接線の傾き」「偏微分は他の変数を固定して微分するだけ」というレベルでは詰まりませんでした。

数学アレルギーが残っている方は、経済の前にミクロ経済で使う微分・偏微分・ラグランジュ法あたりを軽くさらっておくと、難易度が一気に下がります。

逆に、数式アレルギーをそのままにして経済の過去問に突っ込むと、「IS-LM曲線って何のことを言ってるのか分からない」状態で時間だけ溶けます。

証券分析:計算量とボリュームが最大の敵

3科目で一番ボリュームがあり、私が時間を一番かけたのが証券分析です。

範囲がとにかく広い。株式・債券・デリバティブ・ポートフォリオ理論・行動ファイナンスと、論点が多岐にわたります。さらに、それぞれに公式と計算問題がついてきます。

CAPM(資本資産価格モデル)、デュレーション、コンベクシティ、ブラック・ショールズの考え方、効率的フロンティア……と聞いただけで身構える単語が並びますが、結局のところ「公式を覚えて電卓を叩く」作業です。

頭の良さよりも、ひたすら過去問を回して計算パターンに慣れる「物量勝負」になります。

私の場合は、LEC通信講座のテキスト → 過去問10年分(20回分)→ 間違えた論点だけテキストに戻る、というルーティンを繰り返しました。1年かけて過去問は3周以上回しています。回した分だけ点数は伸びる科目です。

簿記1級より楽だと感じる本質的な理由:「理解なし」でも合格できる試験

私が「証券アナリスト1次は簿記1級より楽」と言い切れる本質的な理由は、合格率や勉強時間の差ではなく、試験の性格そのものにあります。

証券アナリスト1次は「暗記」でも合格できる設計

証券アナリスト1次は、CAPM、デュレーション、各種財務指標、IS-LM曲線……どれも公式と用語を覚えれば解ける問題が大半です。

「なぜこの公式が成り立つのか」「数式の背景にある経済理論は何か」を本質から理解していなくても、計算手順を覚えて電卓を叩けば点数が取れる構造になっています。

選択式・マークシート方式で、出題範囲も限定的。過去問10年分を回せばパターンに慣れる。「理解なしの暗記」でも合格圏に届く設計の試験です。

簿記1級は「理解なし」では1問も解けない

一方、簿記1級は理解なしで合格するのは不可能です。

連結会計の修正仕訳、退職給付会計の差異処理、リース取引の会計処理……。問題のパターンが少しズレるだけで、丸暗記した解き方は通用しなくなります。「なぜこの仕訳になるのか」を本質から理解していないと、初見の問題で手が止まります。

簿記1級の合格率10%という数字には、「理解しきれなかった人がたくさん落ちている」という現実が反映されています。「理解の難易度」だけで言えば、簿記1級の方が証券アナリスト1次よりハッキリ難しいです。

暗記特化なら勉強時間は半分以下に圧縮できる

私自身は「2次試験も視野に入れたい」「金融知識を業務で活かしたい」という理由で、理解しながら進めた結果1,200時間かかりました。

でも、「とりあえず1次合格だけ取ればいい」が目的なら、暗記特化で500〜600時間に圧縮することも十分可能です。公式を機械的に覚えて過去問だけ回す、というスタンスでも合格圏には届きます。

ただし、暗記で取った1次合格は2次試験でほぼ詰みます。2次は記述式で「なぜそうなるのか」を問われるので、理解なしでは手が動きません。1次で暗記特化を選ぶ場合は、2次に進む時点で結局理解し直す覚悟が必要です。

この「暗記でも合格できる/できない」の違いが、簿記1級と証券アナリスト1次の難易度を逆転させている本質的な理由だと、私は思っています。

私の受験記録:勉強時間と当日の手応え

受験を決めた経緯と勉強開始時期

私が証券アナリスト1次の受験を決めたのは、2025年の春でした。

本業が保険会社のバックオフィス事務で、商品設計や運用の話をする部署とは別なんですが、隣の席で先輩たちが「デュレーションがどうこう」「金利スワップがどうこう」と話しているのを毎日聞いているうちに、「何の話か全く分からない自分」が悔しくなりました。

簿記1級は持っていたので、次のステップとして金融知識を体系的に入れたい。それなら証券アナリストが一番手早い、という判断で2025年春からLECの通信講座を申し込み、勉強を始めました。

勉強開始から本試験までの期間は、約1年。社会人で平日2時間+土日祝6時間ペースだと、これくらいの期間を確保しないと十分な演習量を積めない、というのが私の実感です。

使った教材(LEC通信講座 + 過去問10年分の二刀流)

メインで使ったのは以下です。

・LECの証券アナリスト1次対策 通信講座(テキスト+講義動画)

・協会指定の教材(辞書として横に置いておく)

・過去問10年分(20回分・協会サイトから無料DL)

・電卓(簿記1級時代から使っている計算特化モデル)

LECの通信講座を軸にした理由は、テキストが「合格点を取るために必要な論点」に絞られていて、初学者でも全体像を掴みやすかったからです。協会の指定教材は分厚すぎて、最初から細部まで追うと挫折します。

過去問は5年分だけだと演習量が足りないと判断して、10年分(20回分)を3周以上回しました。「過去問は5年分で十分」という意見も多いですが、私は10年分やって正解だったと思っています。同じ論点でも問われ方の角度が違うので、10年分やると論点の理解が立体的になります。

ネットでも「通信講座 + 過去問」が王道と書かれていますが、本当にこの2つで合格水準に届きます。協会の指定教材は辞書として使うイメージで十分です。

試験当日の感触(合格発表前のリアルタイム所感)

2026年4月の本試験を受けてきた当日の手応えはこんな感じでした。

・証券分析:7〜8割解けた感触

・経済:6〜7割の感触

・財務分析:8〜9割の感触

足切り点が各科目4〜5割と言われていますが、それを大きく上回って取れた科目もあれば、ギリギリだった科目もあります。

合格発表は2026年6月予定なので、この記事を書いている時点ではまだ結果は出ていません。ただ、自分なりに「これくらい取れていれば受かるはず」というラインは越えた感触で、後は協会の採点を待つだけ、という心境です。

合格が確定したら、改めて点数の詳細を書きたいと思います。不合格だったら、不合格だった理由を書きます。

難易度を実体験以上に押し上げる落とし穴

電卓スピード不足で計算問題が時間切れになる

意外と盲点なのが、電卓の打鍵スピードです。

証券分析は計算問題のオンパレード。1問あたり2〜3分で叩き切らないと、最後まで解き切れません。

簿記1級組であれば普段から電卓を叩いているのでアドバンテージがありますが、簿記未経験で初めて電卓を本格的に使う方は、まず電卓に慣れる時間を別途確保した方が良いです。

私は試験1ヶ月前の段階で、過去問を解くスピードが目標タイムに2割足りていなかったので、毎日30分「過去問の計算問題だけを電卓で叩く」練習を入れました。これで本番のタイム感に何とか間に合いました。

過去問5年分だけだと取りこぼす「新傾向」問題

過去問5年分を回せば合格、というのが定説です。私も最初はそう聞いて5年分から始めましたが、5年分だと「同じ論点を別の角度で問われたときに対応できない」というモヤモヤが残りました。

そこで遡って10年分(20回分)に拡張したところ、論点ごとの問われ方のパターンが立体的に見えてきて、本試験で初見問題に当たったときも「これは○○の応用だな」と推測しやすくなりました。

それでも、本試験では毎年「過去問にはない新しい論点」がいくつか出ます。私の受けた2026年試験でも、ポートフォリオマネジメントの分野で見慣れない問題が出題されていました。

10年分回しても、配点の8〜9割が射程に入る程度です。残り1〜2割は、テキストの細部まで読んでおかないと取れません。

「過去問だけ回せばOK」と聞いてそれを信じ込むと、過去問から外れた問題で点を失います。通信講座のテキストの章末問題まで読んでおく、というのが安全策です。

3科目同時受験のスタミナ切れ

これは私自身が一番ダメージを食らった部分です。

1次試験は3科目を同じ日に受験します(科目別の合格制度はありますが、私は3科目同時受験を選択しました)。試験時間は科目ごとに60〜120分。トータルで6時間近く電卓と問題用紙に向き合います。

午前中の証券分析は集中できたんですが、午後の財務分析の後半で完全に集中力が切れて、計算ミスを2問やらかしました。後で見直したらどちらも単純な打ち間違いで、本来取れていた問題です。

3科目同時受験を選ぶ場合は、本番想定の時間配分で「6時間ぶっ通し模試」を1〜2回やっておくと、スタミナ切れを防げます。私は本番直前に1回しかやらなかったので、そこは反省点です。

まとめ:1次試験の難易度はこう捉えるとちょうどいい

最後に、私が試験を終えて感じる「証券アナリスト1次試験の難易度の正しい捉え方」をまとめます。

・合格率40〜55%は受験者層が「ガチ勢」中心という前提込みの数字。額面通り「半分受かる」と思って気を抜くと落ちる

・必要勉強時間は200時間が相場とされるが、会計・経済の素養ゼロからだと1,000時間以上見ておく方が安全(私自身は簿記1級ありで1,200時間)

・証券アナリスト1次は「理解なしの暗記」でも合格できる設計。暗記特化なら勉強時間は500〜600時間に圧縮できる

・簿記1級は「理解なし」では1問も解けない。これが両試験の難易度を逆転させている本質的な理由

・簿記の知識がある人は財務分析で大きくアドバンテージが取れる。簿記2級でも結構効く

・数学アレルギーが残っている人は、ミクロ経済の前に微分・偏微分を軽くさらうと経済の難易度が体感半分になる

・証券分析は物量勝負。過去問は5年分ではなく10年分(20回分)を3周以上回す覚悟があれば届く

・電卓スピードと3科目同時受験のスタミナは、独立した課題として準備する

・過去問だけだと配点の8〜9割止まり。通信講座テキストの章末まで読むと残り1〜2割を取りに行ける

総合すると、難易度は「合格できるかどうかなら簿記1級より明らかにラク。でも、内容を理解する難しさなら簿記1級より上」というのが私の体感です。

合格だけを目的にするなら、証券アナリスト1次は暗記特化で500〜600時間に収まる試験です。一方、簿記1級は理解できないと何時間積んでも受かりません。「合格しやすさ」と「理解の深さ」は別物、という前提で勉強計画を立てるのが、結果的に一番遠回りしないやり方だと思います。

会計・経済の知識がほぼゼロの方が「合格率40%超なら2〜3ヶ月で受かる」と思って始めると、想像の3〜5倍は時間がかかります。私のように簿記1級を持っていて、かつ2次試験を見据えて理解ベースで進めると、1年・1,200時間を投下してようやく「合格圏内に届いたかな」という手応えです。

合格発表は2026年6月。結果が出たら、また点数とともに記事を更新します。

これから受験する方は、本記事の難易度感を「最悪ケース」として頭に入れた上で、自分の素養と相談しながら勉強時間を見積もってください。「思っていたより難しかった」ではなく「思っていた通りだった」と試験当日に思える方が、メンタル的にも合格率的にも有利です。

私と同じく簿記からの流れで証券アナリストを目指している方は、財務分析を最後に回して証券分析と経済に時間を寄せる、という戦略もおすすめです。一緒に2次試験まで駆け抜けましょう。

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この記事を書いた人

低偏差値高校卒業し、社会に出て『発達障害』と診断される。
人生逆転させるため心機一転、日商簿記検定に挑戦するが、簿記3級に4回落ちて絶望。
諦めず挑戦した結果、簿記の最高峰の『日商簿記1級』と『全経簿記上級』に合格する。

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