日商簿記1級は会計士や税理士の登竜門と言われており、膨大な試験範囲の広さから難関資格と言われています。
ぶんぶんそんな難しい試験に『偏差値40』『IQ90』の低スペック人間が合格できました。



日商簿記1級にどうやって合格できたの?!
もう次で3回目の受験だよ…。
才能ないのかな…。



簿記1級は『天才』にしか受かれない試験じゃないよ。
実は日商簿記1級は『凡人』または『凡人以下』の人間でも受かれる試験です。
1級合格者は地頭がいいなんて言う人もいますが、まったくそんなことはありません。
コツコツ継続型の『努力家タイプ』です。
今回の記事の内容
- 私のスペック
- 『凡人以下』の私が合格するまでに使った教材の紹介や総勉強時間
- 合格のための考え方
なかなか試験に合格できない方や、簿記1級に挑戦しようと考えている方は是非参考にしてください。


日商簿記1級受験時(合格回)の私のスペック
日商簿記3級の受験回数5回
(1回目)69点/100点✖
(2回目)67点/100点✖
(3回目)68点/100点✖
(4回目)受験日を間違え失格✖
(5回目)97点/100点◎
※70点で合格
日商簿記2級の受験回数1回
(1回目)84点/100点◎
※70点で合格
日商簿記1級の受験回数3回
(1回目)28点/100点✖
(2回目)55点/100点✖
(3回目)68点/100点✖
※70点で合格
全経簿記上級の受験回数2回
(1回目)265点/400点✖
(2回目)286点/400◎
※280点で合格
つまり、全経簿記上級と合わせて6回目の受験でした。
Ⅹ(旧ツイッター)の皆さんからたくさんの祝福をいただけました。
使用教材:インプット
ネットスクール:とおるテキスト4冊
インプット教材については最初の1年間くらいネットスクールのテキストを使っておりました。
勉強が苦手な方にも分かりやすく書かれており、初めにこの教材を選んでよかったと思っています。
ただ、2年目からは物足りなくなったため、他の教材に切り替えました。
その他書籍 財務会計講義(桜井久勝著) 原価計算(岡本清著)など
これらの書籍は、伸び悩んでいた時に購入しました。
まずは会計処理の背景を体系的に学ぶことでき、購入してよかったと思います。
ただ、本当に時間がある方にのみお勧めします。
消化不良になる恐れがあるからです。
特に岡本先生の「原価計算」は1,000ページ以上あるので、読み終わるのに時間がかかります。
私自身すべて理解できておらず、今の会計処理に至るまでの歴史や本質をざっくり学んだという感じです。
TAC:管理会計論テキスト
管理会計論をもっと深く知りたいと思いメルカリで追加購入しました。
もっと早くにこのテキストを読んでいたら、第165回の簿記1級原価計算の「NCFを金庫に入れていた場合のNPV」も答えれたのではないかと後悔しました。
本質的な理解の助けになるので購入してよかったです。
使用教材:アウトプット
ネットスクール:とおるトレーニング4冊
ネットスクールの問題集は1年目に使っていました。
簿記初心者でも取り組みやすく、解説も分かりやすいです。
ただ、2年目以降物足りなくなり、合格トレーニングに切り替えました。
TAC:合格トレーニング6冊
合格トレーニングはかなりお勧めします。
特に工原は、基礎的な問題から応用問題まで網羅的に載っているので、確実に実力がつきます。
なかなか合格できないという方は、こちらの問題集に切り替えるのもアリではないかと思います。
ネットスクール:誰でも解ける過去問題集
私は、いきなり過去問を解くことに抵抗があったため、ネットスクールの『誰でも解ける過去問題集』を買いました。
日商簿記1級では、合格者が必ず解いてくるであろう『基礎的な問題』を確実に取ることが大切になってきます。
『確実に取るべき基礎的な問題』を、過去問を改題して掲載してあるため、初心者でもとっつきやすいです。
ネットスクール:講師が選んだ過去問題集
過去問には、ほとんどの受験生が解けないような難しい問題も存在します。
そこで、講師が選んだ良問が寄せ集められた過去問題集といったものです。
合格するために得点してほしい箇所と得点しなくてもよい箇所を明確にしているため、合格点の取り方がわかります。
TAC:合格するための過去問題集125回~165回
TACの過去問題集は14回分掲載しているのですが、ネットで古い過去問+14回分を追加購入しました。
14回分の過去問を完璧にしたと思っていても、もっと古い過去問を解くと案外解けませんでした。
古い過去問は、会計基準の改定のない工業簿記と原価計算を中心に解いていました。
TAC:出題パターンでマスター過去問題集(工原)
TACの昔販売していた過去問題集です。
メルカリかAmazonで購入したと思います。
工業簿記と原価計算は、過去問を遡れば遡るほど実力がつくので、購入してよかったです。
TAC:予想問題集あてる165回と167回
過去問題集より少し難しく感じますが、やり切れば確実に力が付きます。
過去問を遡れば分かるのですが、予想模試は、過去問を改題して掲載されています。
過去問の類題がたくさん載っているので、過去問題集と比較しながら答え合わせをすることがオススメです。
TAC:網羅型予想問題集
網羅型問題集は、正直言って難しすぎます。
できるようになれば簿記の力はつきますが、消化不良になる恐れがあります。
時間に余裕があれば挑戦してみてください。
ネットスクール:ズバリ的中予想模試165回と167回
予想問題集の中でも、一番本試験に近い難易度です。
過去問では、まだ出題実績の少ない収益認識などの新論点も掲載されているため、出題のトレンドを把握するためにもやっておきたい1冊です。
ちなみに私は、試験に落ちたとしても予想問題集は捨てずに使いまわしていました。
ネットスクール:全経簿記上級過去問189回~209回
私は、日商簿記1級の勉強の過程で、全経簿記上級も取得しました。
全経簿記上級の過去問はネットスクールがお勧めです。
TACの過去問より問題数が多く、過去9回分掲載されています。
私は過去9回分+α追加購入しましたが、9回分でも十分だと思います。
日商簿記1級とは出題傾向が若干違うため、それに慣れるという目的で解いてみてください。
TAC:管理会計論問題集
管理会計論問題集は、管理会計論をもっと深く勉強したいと思いメルカリで追加購入しました。
会計士の過去問(多分確実に取らないといけないところ)が掲載されていて、より実力がついたと感じました。
スタディング:簿財問題集と直前答練
税理士の簿財も受けようと思いスタディングに申し込みました。
帳簿と外部公表の財務諸表の違いや、特殊商品売買についての深い理解ができました。
資料の前TBに至るまでにどのような仕訳が切られてきたのかを考えれるようになったことが大きな収穫です。
※結局、簿財は受験はしませんでした。



簿記は問題を解けば解くほど力がついてきます!


総勉強時間は、なんと3,000時間越え
ネット上では、日商簿記1級の勉強時間は約700~1000時間とあります。
しかし、私の場合は簿記2級を取得してから、およそ3,000時間はかかりました。
私のような低IQの人間は、圧倒的な勉強量が必要だったのです。
最初の1000時間は、とにかく脳筋ごり押し勉強方法でとにかく問題集を回していました。



始めから勉強の質を求めるのではなく、とにかく最初は問題集を回して量をこなす方法を取りました。
予想問題集に頼り切っているようでは、なかなか受からない
「苦手科目が出ないように願っている」なんて、そんな後ろめたい気持ちでは本番で100%力を発揮できません。
何が出ても答えれるという気持ちで挑んでいる人が合格を掴み取っていきます。



私も過去「業務執行的意思決定」「部門別個別原価計算」が苦手で、出題されないことを祈っていたのですが、実際にどちらも出題されてしまい、両方足切りでした。



このような事態を防ぐためにも、苦手科目はなるべく作らないようにしておく必要があるんだね。
特に勉強時間があまり取れない方は、得意科目を伸ばすよりも苦手科目を無くしていくよう心掛けると良いかもしれません。
また、日商簿記1級の予想問題は、出題論点の予想は当たっても、日商簿記2級や3級のように、問題の形式まで当たることはほぼありません。
なんだかんだでマインドが一番大事
「勉強方法」によく焦点が当てられますが、実はマインドはすごく重要です。
なぜなら、何のアドバンテージもなかった私が合格できたのは、メンタル面を大事にしていたからだと思うからです。
日商簿記1級に対する姿勢や考え方を変えるだけで、普段の学習の質も変わります。



特に『諦めない心』は大事。
日商簿記1級受験生の上位10%あたりにいる人達の間には大きなレベルの差はなく、最後の最後「閃くか閃かないか」「ケアレスミスがあるかないか」で合否が分かれます。
今回の私のように、最後まで諦めなかったことで「ギリギリ合格者の中に入れた」ということもあるのです。
量質転換の法則
膨大な問題演習をこなしていけば、最初の方は力は付いていきますが、ある程度すると必ず伸び悩む時期が来ます。
その時に確認したいのが、「惰性で解いていないか」です。
お勧めの方法は「この問題集を解いてどんな力をつけたいか」考え、『なりたい自分』を想像していくやり方です。
例えば私は、「既存の問題集を解く」ことと「初見の問題集を解く」ことで、目的を分けていました。
- 既存の問題集→記憶の定着のために解く
- 初見の問題集→緊張感を感じている中で問題を解くことに慣れるために解く
このように、目的別に問題集を分類することで着実に『なりたい自分』に近づいていきます。
ただ単に問題集を解くことと、目的を持って問題集を解くのとでは雲泥の差があります。



もしが伸び悩んだら、今までとやり方を変えてみよう!
ケアレスミスを甘く見ると、なかなか受からない
日商簿記1級は、ケアレスミスの対策が重要です。
日商簿記1級は1科目25点満点なので、必然的に1問に割り振られる点数が大きくなるからです。
一つのミスが致命傷となり、場合によってはそれが原因で試験に落ちてしまいます。
私は、ケアレスミスを極力減らすために、本試験をイメージして毎日問題を解いていました。
また、本試験に何度も挑んでいるので、「緊張感の中で問題を解くことに慣れてきた」というのもあって、ケアレスミスは徐々に減ってきました。
運が回ってくるまで待つのも戦略!
私は試験に3回落ちいて、1回目の受験は28点という悲惨な結果でした。
なかなか1回目の受験で合格できる人は少ないので、長期戦になることは覚悟しておいた方がいいです。
公認会計士受験生のように日々、鬼のように勉強されている方々でさえも落ちるような試験なので、不合格になっても過度に落ち込む必要はありません。



本試験に落ちたとしても「質のいい問題集を解けた」と前向きに捉えることにしよう。
日商簿記1級は長期戦です。
合格の神様が下りてくるまで、辛抱強く待つのもひとつの戦略です。
最後に
『低偏差値』『低IQ』の私が、日商簿記1級に合格するまでにたくさんの時間を要しましたが、合格するまで継続してよかったと心から思います。
今諦めそうな方も合格後の自分を思い描いて、何とかこの壁を乗り越えてください。
日商簿記1級はメンタルコントロールが大事です。
あまり焦らずに、長い目で見ていきましょう。



kindle本も出版しております。ページ数は39ページと短めなので、勉強の合間にでも読んで頂けると嬉しいです。
あなたの日商簿記検定1級合格を心より応援しております。
本記事が少しでもあなたのモチベーションアップに繋がることを願っております。
最後まで見ていただきありがとうございます。










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