簿記1級 テキストのおすすめ|4回受験者が実際に使った教材を学習フェーズ別に紹介

「日商簿記1級のテキストって、どれを選べばいいの?」と検索した方へ。

私は4回受験・累計3,168時間かけて簿記1級に合格しました。最初の1年はネットスクールの通信講座を受講、その後独学で過去問演習と理論深掘りに集中。この2年間で、ネットスクール・TAC・桜井「財務会計講義」・岡本「原価計算」など、多数の教材を使い倒しました。

この記事では、実際に4年使った経験から、「これは絶対買うべき」「これは無くてもOK」を学習フェーズ別に整理。インプット・アウトプット・過去問・予想問題集の4カテゴリで、本音でレビューします。

目次

簿記1級のテキスト選びは「学習フェーズ」で変わる

最初に押さえてほしいのが、「学習フェーズ別に必要なテキストが違う」という事実です。

フェーズ1(インプット):論点を1つずつ理解する段階

最初の3〜4ヶ月は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の全範囲を、テキストで1周通します。

この段階の目的は「全体像を掴むこと」。論点ごとに「なぜそうなるのか」を理解しながら進めます。

必要なのは「初学者向けに段差を小さく作られたテキスト」。難しい用語を噛み砕いて説明してくれるかどうかが選定の最重要ポイントです。

フェーズ2(アウトプット):演習で定着させる段階

インプットが終わったら、論点別の問題集で演習量を稼ぐフェーズに入ります。

ここでは「テキストの章末問題だけでは足りない」というのが現実。専用の問題集を別途用意する必要があります。

フェーズ3(過去問):実戦演習の段階

論点別演習で7〜8割解けるようになったら、過去問演習に進みます。

過去問は最低10年分×3周。私は累計100周以上回しました。詳細は[過去問の重要性記事]で書いています。

フェーズ4(直前期):予想問題集で仕上げる段階

本試験の1〜2ヶ月前は、予想問題集で本試験の出題傾向を予想しつつ、最後の弱点補強をします。

フェーズごとに必要な教材が違うので、まとめて買う必要はありません。フェーズが進むタイミングで揃えていけば十分です。

フェーズ1: インプット用テキスト

最初の3〜4ヶ月で使うインプット教材を整理します。

初学者の鉄板:ネットスクール「とおるテキスト」4冊

私が最初の1年で使ったメインテキストが、ネットスクールの「とおるテキスト」4冊(商業簿記2冊+工業簿記2冊)です。

選んだ理由は、初学者向けに振り切った構成。論点ごとに「なぜそうなるのか」を図解と数値例で丁寧に説明してくれます。

簿記2級から1級に上がるときの最大の壁である「いきなり論点が抽象化する」を、とおるシリーズは段差を小さく作って乗り越えやすくしてくれます。

価格は1冊3,000円前後×4冊で約12,000円。初学者は迷ったらこれで間違いありません。

CPAラーニング教材も無料で使える

予算を抑えたい方は、CPAラーニングのテキスト+動画講義が完全無料で使えます。

公認会計士予備校CPAが運営する無料学習サービスで、商簿・会計3冊+工簿原計3冊の計8冊が無料ダウンロード可能。

「とおるテキストとCPAラーニング、どっちがいい?」と聞かれれば、両方使い比べて自分に合う方を選ぶのがベスト。完全無料なので、CPAラーニングは登録だけしておくのが正解です。

余裕があれば追加:桜井久勝「財務会計講義」

これは大学の学部レベルの教科書ですが、特定論点を本質から理解したいときに辞書として使えます。

「とおるテキストでは分かったつもりだけど、実は理解が浅い」と感じる論点がある方向け。私は3回目の不合格後、連結会計・税効果会計の理解を深めるために購入しました。

価格は約4,000円。最初から手を出すと挫折するので、3回目以降の不合格者向けの「上級補助教材」と思ってください。

工原を深掘りしたい人:岡本清「原価計算」

工業簿記・原価計算の名著です。原価計算理論の本質を理解したいときの定番教科書。

価格は約8,000円。学術書なので読みやすさは犠牲になりますが、原価計算で何度も足切りされる方の「最終手段」として有効です。

私も全経簿記上級の理論問題対策で活用しました。

フェーズ2: アウトプット用問題集

論点別演習に使う問題集を整理します。

メイン演習:TAC「合格トレーニング」6冊

ネットスクール「とおるテキスト」だけだと演習量が圧倒的に足りません。私はTACの「合格トレーニング」6冊を追加で買って、演習量を稼ぎました。

価格は1冊1,500円前後×6冊で約9,000円。論点別の問題集として完成度が高く、解説も丁寧。

「ネットスクールで理解→TAC合格トレーニングで演習」というハイブリッド運用が、私が最終的に合格できた最大の勝ち筋でした。

補助演習:ネットスクール「とおるトレーニング」

ネットスクールが出している演習問題集「とおるトレーニング」4冊(とおるテキストとセット運用)。

価格は1冊2,500円前後×4冊で約10,000円。とおるテキストと完全対応しているので、章ごとに「テキスト→トレーニング」と進めやすいのがメリット。

ただし、TACの合格トレーニングと内容が被るので、両方買うと過剰投資です。私はネットスクール期にとおるトレーニング、独学期にTAC合格トレーニング、と段階的に切り替えました。

管理会計強化:TAC「管理会計論問題集」

公認会計士向けの管理会計論問題集ですが、簿記1級の工原強化にも使えます。

私は3回目の不合格で原価計算の足切りを喰らった後、4回目までの間にこの本を1冊潰しました。結果、4回目では工業簿記・原価計算が一番得点源になりました。

価格は約3,000円。工原が苦手で足切りリスクを感じる方は、追加投資する価値があります。

フェーズ3: 過去問題集

過去問演習の必須教材を整理します。

初学者の1冊目:ネットスクール「誰でも解ける過去問題集」

簿記1級の過去問を最初に解くと、ほとんどの人は心が折れます。「テキストでは分かったつもりだったのに、過去問は1問も解けない」が標準です。

そんな初学者向けに作られているのが、ネットスクールの「誰でも解ける過去問題集」。過去問の中でも「比較的素直な問題」だけを選んで、ステップアップ式に構成されています。

価格は約2,500円。過去問への抵抗感を下げるための「過去問入門」として最適です。

メイン演習:TAC「合格するための過去問題集」

過去問演習のメインに据えるべき1冊が、TACの「合格するための過去問題集」。

直近20回分の過去問を収録し、解説が抜群に丁寧。「なぜこの仕訳になるのか」を本試験合格者ベースで詳しく書いてくれます。

価格は約3,000円。私が4回受験で一番回したのもこの本。本書を3周以上回せれば、合格水準が射程に入ります。

論点別:ネットスクール「講師が選んだ過去問題集」「パターンでマスター」

苦手論点の集中演習用として、以下も推奨できます。

・ネットスクール「講師が選んだ過去問題集」(約2,800円):出題パターンを類型化して、苦手論点の集中演習に向く

・TAC「出題パターンでマスター過去問題集(工原)」(約2,500円):工業簿記・原価計算の頻出パターンを徹底的に潰せる

特に「パターンでマスター」は、3回目から4回目の間で工原の点数を10点以上上げてくれました。工原が苦手な方は、これを追加投資する価値があります。

フェーズ4: 予想問題集(試験直前期)

本試験の1〜2ヶ月前から使う予想問題集です。

ネットスクール「ズバリ的中完全予想模試」

ネットスクールが出している予想模試。価格は約2,500円。

私が本試験の直前1ヶ月で活用したのがこれです。ネットスクールは予想の的中率が高く、本試験で「あ、これ予想模試で見た問題に近い」と感じる場面が複数ありました。

TAC「あてる直前予想模試」

TACが出している直前予想模試。価格は約2,200円。

TACの講師陣が「今年出そうな論点」を予想して問題を作っています。本試験の傾向を最後に確認するのに有効です。

ネットスクール予想模試とTAC予想模試の両方を解くと、本試験の出題範囲のカバー率が大幅に上がります。

TAC「網羅型予想問題集」

予想問題集の「網羅版」で、本試験で出る可能性のある論点を幅広く扱う1冊。価格は約2,500円。

「あてる直前予想」より問題数が多く、幅広く論点を確認できます。直前期の総仕上げに最適。

私が4回受験で使った教材の総時系列

2年間で私が実際に使った教材を時系列で整理します。

1回目(ネットスクール期):とおるテキスト中心

最初の1回目の受験は、ネットスクール通信講座のフル受講期間。

・ネットスクール「とおるテキスト」4冊

・ネットスクール「とおるトレーニング」4冊

・ネットスクールのWEB講義

・ネットスクール「誰でも解ける過去問題集」

ここで簿記1級の全範囲の土台を作りました。1回目(162回)の受験までに使った教材は、ほぼネットスクール製品で完結しています。

2〜3回目(独学初期):TAC合格トレーニング・過去問題集に拡張

2回目以降、独学に切り替えてからは、TACの教材を追加で投入しました。

・TAC「合格トレーニング」6冊

・TAC「合格するための過去問題集」

・TAC「出題パターンでマスター過去問題集(工原)」

ネットスクールで作った理解の土台 + TACの圧倒的な演習量、という組み合わせで点数を伸ばしていきました。

2年目(合格年):理論深掘りに財務会計講義・原価計算を追加

合格した2年目(167回受験)の直前期は、理論の深掘りに重点を置きました。

・桜井久勝「財務会計講義」

・岡本清「原価計算」

・TAC「管理会計論問題集」(公認会計士向け)

・ネットスクール「ズバリ的中完全予想模試」

・TAC「あてる直前予想模試」

ここまで来ると、簿記1級というより会計士の入り口レベルまで踏み込んでいた感覚があります。

テキスト選びで失敗しない3つのコツ

2年間で多数の教材を使ってきた立場から、テキスト選びの3つのコツを共有します。

コツ1:複数買いより1冊を完璧に

「あれもこれも」と複数のテキストを買って、どれも中途半端に進める人が多いです。

実は、簿記1級は「1冊のテキストを3周完璧に」の方が、5冊を1周ずつより成績が伸びます。1つの説明を完全に消化する方が、複数の説明で混乱するより理解が深まる。

私の場合、1年目はネットスクール「とおるテキスト」だけに絞って、3周完璧に通しました。これで土台が完成。その後の段階で別の教材を追加するのが正解です。

コツ2:メルカリ等の中古は古すぎないものを

簿記1級のテキストは割と高いので、中古で済ませたい気持ちは分かります。

ただし、商業簿記・会計学の論点は会計基準改定の影響を受けるので、5年以上前の中古テキストは要注意です。現行の会計基準と内容がズレている可能性があります。

直近2~3年目以内の版なら中古でもOK。工業簿記・原価計算は古い版でも問題ありません(基準改定の影響を受けにくいため)。

コツ3:相性が合わなければ1ヶ月以内に切り替える

買ったテキストの説明が「全然頭に入らない」と感じたら、無理に続けず、1ヶ月以内に別のテキストに切り替えてください。

簿記1級は1年以上の長期戦。相性の悪いテキストで進めると、勉強そのものが嫌いになります。

書店で立ち読みしたり、メルカリで安く買って試したりして、自分に合う説明スタイルを見つける方が、結果的に近道です。

まとめ:インプット・アウトプット・過去問・予想の4カテゴリで揃える

2年・3,168時間・4回受験の立場から、簿記1級のテキスト選びの結論をまとめます。

・インプット:ネットスクール「とおるテキスト」4冊(鉄板)+ 必要なら桜井「財務会計講義」

・アウトプット:TAC「合格トレーニング」6冊(メイン)

・過去問:TAC「合格するための過去問題集」(メイン)+ 工原はパターンでマスター

・予想問題集:ネットスクール「ズバリ的中」+ TAC「あてる直前予想」

・複数買いより1冊を完璧に、相性悪ければ早めに切り替え

予算で言うと、メイン教材一式で約4〜5万円(テキスト+問題集+過去問+予想模試)。さらに通信講座(ネットスクール124,000円等)を足すと総額17〜18万円程度です。

これは「会計士・税理士の予備校代50〜80万円」と比べると圧倒的に安く、コスパは抜群です。

私のように4回受験を経験すると、教材選びの試行錯誤に時間を使うのがもったいない、と痛感します。これから挑む方は、最初から「ネットスクール+TACのハイブリッド」で揃えて、教材選びで迷う時間を勉強時間に振ってください。

教材は良いものを揃えるだけで、合格までの道のりが半年〜1年短縮できます。

一緒に合格を勝ち取りましょう。

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この記事を書いた人

低偏差値高校卒業し、社会に出て『発達障害』と診断される。
人生逆転させるため心機一転、日商簿記検定に挑戦するが、簿記3級に4回落ちて絶望。
諦めず挑戦した結果、簿記の最高峰の『日商簿記1級』と『全経簿記上級』に合格する。

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