「簿記1級の電卓ってどれを選べばいいの?」と検索した方へ。
私は4回受験・3,168時間かけて簿記1級に合格しましたが、勉強時間の8割以上を電卓を叩いて過ごしました。1日中電卓を叩いていると、機種選びの良し悪しが合否に直結する、というのが正直な感想です。
この記事では、4年間電卓を叩き続けた実体験から、シャープvsカシオの選び方、絶対に外せない5機能、初学者・経験者別のおすすめ機種、4回受験者が気づいた「合否を分ける機能」を本音で書きます。
結論:迷ったらこの2機種から選べば間違いない
最初に結論を書きます。簿記1級用の電卓で迷ったら、以下から選べば失敗しません。
初学者・コスパ重視:シャープEL-N942-X(3,745円)
「予算を抑えたい」「とりあえず簿記1級を試してみたい」という方は、シャープのEL-N942-Xが最強のコスパです。
価格は3,745円と4,000円以下。それでいて、12桁表示・メモリー機能・GTキー・サイレントキー・キーロールオーバーと、簿記1級に必要な機能が全部入っています。
実務用電卓として銀行員・経理マンにも使われている機種なので、信頼性も抜群。「とりあえず1台目」として、これを買って外れることはありません。
私自身、最初の1台目はこの価格帯の電卓から始めて、4回目の合格まで使い続けました。1万円超の高級電卓を最初から買う必要はないと感じています。
本気で簿記1級狙う:シャープEL-G37(6,800円)
「本気で1回で受かりたい」「電卓に最高のパフォーマンスを求めたい」方は、シャープのEL-G37です。
価格は6,800円。学校用電卓として設計されていて、簿記講師や本気の受験生に最も使われている1台です。
キーストロークの軽さ、サイレントキーの完成度、滑り止めのしっかりさ、液晶の見やすさ。どれを取っても上位機種で、長時間の勉強でも疲労感が違います。
3,000時間以上電卓を叩く簿記1級学習で、この差は積み重なって合否に出ます。「本気度」を電卓に表すなら、これ一択です。
カシオ派なら:JS-20WK(7,500円〜)
「シャープではなくカシオが好き」「実務用電卓を業務でも使いたい」という方は、カシオのJS-20WKがおすすめです。
価格は7,500円前後。実務用電卓の最高峰として、銀行・証券会社のディーラーや経理担当者に使われている1台です。
打鍵感が硬めで「カチカチ」と打ち込む感覚が好きな方、早打ちに自信がある方には、カシオの方がフィットします。
私自身はシャープ派ですが、カシオJS-20WKを使う合格者も多数います。最終的には好みの問題なので、お店で実機を触って決めるのが一番です。
簿記1級で電卓が合否に直結する3つの理由
「電卓なんてどれでも同じでしょ」と思う方へ、電卓選びが合否に直結する理由を3つ整理します。
1問あたり2〜3分の制限時間
簿記1級の本試験は時間との戦いです。商業簿記+会計学で90分、工業簿記+原価計算で90分。1問あたりにかけられる時間は、平均2〜3分しかありません。
この制限時間の中で、電卓を叩いて答えを出すスピードが直接合否に響きます。同じ問題を解くのに、安い電卓だと3分かかるところを、良い電卓なら2分で終わる。これが1試験で20〜30問繰り返されると、トータル20〜30分の差になります。
20〜30分あれば、見直しもできるし、捨て問にしようとした問題に戻れる。電卓の差は、本試験の最終点数に直結します。
1日中叩く実体験で機種の良し悪しが効く
簿記1級の勉強は「1日3〜5時間、電卓を叩く」が標準です。私の場合、休日は1日10時間以上電卓を叩く日もありました。
これだけ長時間叩いていると、電卓の細かい違いが体感的に効いてきます。
・キーの押しやすさ → 指が疲れにくい
・キーの音の大きさ → 自宅勉強・カフェ勉強で気を遣わない
・液晶の見やすさ → 目の疲労が違う
・滑り止めの効き → ストレスフリー
「電卓は道具」と軽視せず、長時間使っても疲れない1台を選ぶことが、勉強の継続性に直結します。
キーミス1回が10点失う場合がある
本試験の総合問題は、1問の中で何十回も計算をします。例えば連結会計の修正仕訳問題なら、1問の中で20〜30回の計算が連鎖していきます。
途中の1回で電卓のキーを押し損じると、その後の計算がすべてズレて、結果として10点以上失うこともあります。
「キーロールオーバー(早打ち対応)」や「正しいキー配置」がある電卓を使えば、こうしたキーミスのリスクが激減します。
電卓の機能1つで、10点分の合否ラインを越えるかどうかが変わる。これが、安い電卓ではダメな理由です。
絶対に外せない5機能(これがないと話にならない)
簿記1級用の電卓に「絶対必要」な5機能を整理します。これらがない電卓は、簿記1級の戦力外です。
12桁表示
簿記1級では、企業の決算書を扱うので「億単位」の数字が普通に出てきます。12桁表示は最低限のラインです。
10桁の電卓だと、億単位の計算で表示が溢れてエラーになります。「12桁」は必須条件として、購入前に必ず確認してください。
メモリー機能(M+ M- MRC)
複数の計算結果を一時的に保存して、後で呼び出せる機能です。
簿記1級の総合問題では、複数の計算結果を組み合わせて最終答案を出すのが普通。メモリー機能がないと、計算結果を紙にメモする手間が発生して時間ロスになります。
M+(加算)、M-(減算)、MRC(呼び出し)の3つが揃っているのが標準です。
GT(グランドトータル)キー
複数の計算結果の総合計を一発で出せる機能です。
「複数の単価×数量を計算して、最後に総合計を出す」みたいな問題で、GTキーがあれば一発で答えが出ます。GTキーがないと、結果を紙にメモして手で足し算する必要があり、ミスとロスが増えます。
サイレントキー
キーを打ったときの音を抑える機能です。
簿記1級の勉強は1日数時間電卓を叩くので、「カチカチカチ」と大きな音がする電卓だと、家族や同居人から苦情が来ます。カフェ勉強でも周りに気を遣う。
サイレントキーがあれば、24時間どこでも気兼ねなく電卓を叩けます。長期戦の勉強では必須機能です。
キーロールオーバー(早打ち対応)
連続でキーを叩いたとき、前のキーが反応する前に次のキーを押しても、両方を正しく読み取る機能です。
簿記1級の本試験では、1秒でも早く計算を終えるために高速で電卓を叩きます。キーロールオーバーがない電卓だと、早打ちした分が読み取られず、計算が崩れます。
「早打ち対応」「2キーロールオーバー」と表記されていればOK。これがない電卓は本試験では使えません。
あれば便利な5機能(購入時の差別化ポイント)
絶対必須ではないですが、あると勉強・本試験が楽になる5機能を紹介します。同じ価格帯なら、これらが多い方を選んでください。
「00」キー
「0」を2つ一度に入力できるキーです。
簿記1級では「10,000」「100,000」のような大きな数字を打つ機会が多いので、「00」キーがあると入力スピードが体感1.5倍になります。
バックスペースキー(桁下げ)
打ち間違えた1桁を取り消して、続きを打てる機能です。
「123,456」を「123,455」と打ち間違えたとき、バックスペースキーがあれば「5」だけ消して「6」に直せます。これがないと、全部消してやり直しになります。
ミスを最小限の手戻りで修正できる、地味だけど効くキーです。
定数機能
同じ計算を繰り返す機能です。
「12,000円の商品を10個」「20個」「30個」と単価を変えずに計算するときに、定数機能があれば「× 12000」を1回入力するだけで連続計算できます。
問題集での反復演習で時短になります。
ルートキー
平方根を計算する機能です。
簿記1級でルート計算が出る場面は稀ですが、原価計算の応用問題でたまに登場します。ない電卓だと手計算になるので、あった方が安心です。
日数計算機能
2つの日付の間の日数を一発で出す機能です。
利息計算問題で「○月○日から×月×日までの日数を計算」という場面で活躍します。日数計算機能がない電卓だと、カレンダーを見ながら数えることになり、相当な時間ロスです。
シャープ派 vs カシオ派:メーカーで何が変わる?
簿記受験生の間で永遠に語られる「シャープ vs カシオ」の比較を整理します。
シャープの特徴:キーの位置と液晶が見やすい
シャープ電卓の特徴は、キー配置の見やすさと、液晶のクリアさです。
「+」「-」「×」「÷」のキーが大きめで、初学者でも目視で押しやすい。液晶も傾斜しているモデルが多く、机に置いたまま見やすい。
「電卓に慣れていない人」「目視で確認しながら打ちたい人」には、シャープが向きます。私もシャープ派でした。
カシオの特徴:打鍵感が硬めで早打ちに強い
カシオ電卓の特徴は、キーの打鍵感が硬めで、早打ちに強いことです。
「+」「-」のキーが小さめでも、慣れたら高速で打ち込めます。経理マン・銀行員に愛用者が多く、業務用の最高峰電卓もカシオです。
「打鍵感が好き」「早打ちで勝負したい」という方には、カシオがフィットします。
最終的には好みの問題
シャープとカシオ、どちらが優れているかは決着のつかない議論です。簿記1級合格者の中にもシャープ派とカシオ派が半々います。
判断材料としては、
・初学者・初めての電卓 → シャープ(見やすさ重視)
・他の電卓に慣れている・早打ちしたい → カシオ
・業務でも電卓を使う → カシオ(実務用が強い)
可能なら家電量販店で実機を触ってみて、「自分の指にしっくり来る」方を選ぶのが一番です。
NG電卓:簿記検定で使えないモデル
逆に、簿記検定では使えない電卓もあります。買う前に注意してください。
関数電卓(高校で使ったやつ)
「sin」「cos」「log」などの数学関数キーが付いた電卓は、簿記検定では使用禁止です。
高校時代の物理・数学で使った関数電卓を流用しようとする方がいますが、試験会場で没収されます。
簿記検定では「12桁の四則演算電卓」を使ってください。
音が出るタイプ
電卓自体に音声機能がある(計算結果を読み上げる等)モデルは使用禁止です。
シニア向けの「音声電卓」を間違って買わないように注意してください。
プログラム機能搭載
数式や手順をプログラムとして記憶できる電卓は使用禁止です。
「事前に計算式を仕込んでおく」ことができるので、不正防止の観点で禁止されています。
プログラム機能は実務用電卓の高級モデルに搭載されていることがあるので、購入前に「簿記検定で使えるか」を必ず確認してください。
4年間電卓を叩いて気づいた「合否を分ける機能」TOP3
私が4年・3,168時間・4回受験で電卓を叩き続けた中で、「これは合否を分けたな」と感じた機能を3つ厳選します。
サイレントキー:長時間勉強の継続性
私が一番ありがたかったのが、サイレントキーです。
簿記1級は1日3〜10時間電卓を叩く長期戦。音がうるさい電卓だと、家族から「うるさい」と言われたり、深夜の自宅勉強・カフェ勉強で気を遣ったりして、勉強時間そのものが削られます。
サイレントキーがあれば、24時間どこでも気兼ねなく叩ける。「勉強時間を確保できる」ことが、合否に直結します。
キーロールオーバー:本試験の時間短縮
本試験で時間切れ寸前のとき、キーロールオーバーの有無が勝敗を分けます。
早打ちで「123456789」を入力するとき、キーロールオーバーなしの電卓だと「12345」しか読み取られず、計算が崩れる。本試験で1問落とすと10点以上のダメージです。
「キーロールオーバー対応」と書かれた電卓を選ぶだけで、本試験の時間プレッシャーが体感半減します。
手のひらサイズ:疲労感の差
意外と効くのが、電卓の「サイズ」です。
手のひらに収まるサイズ(横10cm前後)の電卓は、長時間使っても疲れません。逆に、大きすぎる電卓は手の移動距離が長くなって、5時間も叩くと前腕が痛くなります。
家電量販店で実機を触って、「自分の手にしっくり来るサイズ」を選んでください。地味ですが、合否に効くポイントです。
まとめ:電卓は「3,000〜7,000円で最高のものを買う」が正解
4年・3,168時間・4回受験を電卓と過ごした立場から、最後に結論をまとめます。
・絶対必要な5機能:12桁・メモリー・GT・サイレントキー・キーロールオーバー
・あれば便利な5機能:「00」・バックスペース・定数・ルート・日数計算
・初学者・コスパ重視 → シャープEL-N942-X(3,745円)
・本気で1級狙う → シャープEL-G37(6,800円)
・カシオ派 → JS-20WK(7,500円〜)
・NG電卓 → 関数電卓・音声電卓・プログラム機能搭載
・サイレントキー・キーロールオーバー・手のひらサイズが合否を分ける3大機能
電卓は「3,000〜7,000円のレンジで、絶対必要5機能が揃った最高のもの」を買えば、ほぼ失敗しません。
1万円超の高級電卓は実務用としては魅力的ですが、簿記1級レベルなら7,000円までで十分。逆に、1,000〜2,000円の安い電卓は機能が足りず、絶対に避けてください。
「電卓をケチると合格が遠のく」というのは本当です。3,000時間以上電卓を叩く勉強なので、初期投資5,000円前後の差は、勉強効率・合格率の差として何倍も返ってきます。
私自身、シャープEL-G37クラスの電卓に最初から投資していれば、もしかしたら3回不合格を経験せずに済んだかもしれません。これから受験する方は、私の遠回りを参考にして、最初から良い電卓を選んでください。
一緒に合格を勝ち取りましょう。
- 簿記1級の電卓はどれくらいの価格帯がおすすめですか?
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3,000〜7,000円の価格帯が最もコスパが良いです。1万円超は実務向けで簿記1級にはオーバースペック、1,000円台は機能不足で本試験に対応できません。
- シャープとカシオ、どちらが簿記1級に向いていますか?
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私は4回受験すべてシャープで合格しました。キーの大きさ・配置・液晶の見やすさで初学者にも振り切れています。カシオも実務用として優秀ですが、簿記1級の本試験で長時間叩き続けるなら、私はシャープの方が疲れにくいと感じました。迷ったらシャープから入って間違いありません。
- 電卓は中古でも問題ありませんか?
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電卓は機械なので、中古でも機能的には問題ありません。ただし「サイレントキー」「キーロールオーバー」など主要機能が劣化していないか、購入前に確認してください。
