簿記1級の合格率は約10%|推移・なぜ低い・受かる人の特徴を4回受験者が解説

「簿記1級の合格率って、結局どのくらい?」「10%って聞くと、自分なんて無理な気がする…」——そう感じて検索した方へ。低偏差値・高卒で4回受験し、1回目28点から4回目で70点を取って合格した私が、合格率の数字の“本当の意味”を正直に解説します。結論から言うと、簿記1級の合格率はおおむね10%前後(近年の2024〜2025年は12〜15%とやや高め)。たしかに低いですが、これは「相対評価で上位約10%に調整されている」数字で、頭の良さより“続けられるか”で決まります。この記事では、合格率の推移・なぜ低いのか・受かる人と落ちる人の違い・他資格との比較・惑わされない考え方まで、4回受験のリアルでお伝えします。

目次

簿記1級の合格率はどのくらい?まずは結論

簿記1級(日商簿記検定1級)の合格率は、長く“約10%の難関”として知られてきました。ただし近年(2024〜2025年)は12〜15%とやや高めで、2024年度の全国平均は12.9%です。「100人受けて10人前後しか受からない」と言うと、たしかにシビアに聞こえますよね。

補足しておくと、1級は年2回(6月と11月)の統一試験だけで、2級・3級のようなネット試験(随時受験)はありません。挑戦のチャンスが年2回に限られることも、難関と感じる一因です。落ちると次まで約半年、というプレッシャーは地味に効いてきます。

ただ、この10%という数字を“額面どおり”に受け取って落ち込む必要はありません。なぜそう言えるのか、仕組みから分解していきます。ここを理解すると、合格率の数字に振り回されなくなります。

簿記1級の合格率の推移【近年の傾向】

近年の回別合格率(東京商工会議所などの公表値)は次の通りです。第167回(2024年6月)12.0%、第168回(2024年11月)14.7%、第170回(2025年6月)15.6%、第171回(2025年11月)15.6%。ここ数年は12〜15%台ですが、過去にはひと桁台の回もあり、回ごとにブレます(※1級は6月・11月の年2回のみ実施。2月のネット試験に1級はありません)。これは「問題の難易度を調整して合格率を一定の帯に収める」運用の裏返しです。

実施回実施時期合格率
第167回2024年6月12.0%
第168回2024年11月14.7%
第170回2025年6月15.6%
第171回2025年11月15.6%
出典:東京商工会議所ほか公表値(日商1級は6月・11月の年2回のみ実施)

数字は回ごとに上下するので、受験する回の最新値は必ず商工会議所の公式発表で確認してください。

長期的には“1割前後”が目安ですが、近年は1.2〜1.5割の回が続いています。

大事なのは「ある回が何%だったか」より、「なぜ毎回10%前後に落ち着くのか」という仕組みの方です。次の章で、その理由を5つに分けて説明します。

なぜ簿記1級の合格率は低いのか【5つの理由】

理由1:実は“相対評価”で上位約10%に調整されている

簿記1級は「70点以上で合格」と案内されますが、実際は問題の難易度を調整して、合格率がおおむね1割前後(近年は12〜15%)に着地する運用になっています。つまり「70点取れば必ず受かる」より「結果的に上位1〜2割の出来でないと届きにくい」が実態に近い。これが合格率が低く保たれる一番の理由です。裏を返せば、戦う相手は“合格点”ではなく“他の受験生”だということです。

理由2:母集団のレベルが高い(会計士・税理士のガチ勢が混ざる)

一緒に受けるのは、公認会計士や税理士を目指す“会計ガチ勢”が中心です。簿記1級は、上位資格の通過点として受ける人がとても多い試験。母集団のレベルが高いので、相対評価では当然きびしくなります。「全国の本気の受験生の中で上位10%」と考えると、数字の重みが分かります。

理由3:リベンジ組(受験経験者)が含まれている

10%は初受験者だけの数字ではありません。私のように何度も受けている経験者も母集団に含まれます。経験者は当然強いので、初挑戦の人にとっての“実質的な壁”は数字より高い。私の体感では、初受験で一発合格できる人は全体の3〜5%ほどです。だから「初挑戦で落ちた=向いてない」では決してありません。

理由4:1科目でも40%未満だと足切りで不合格

簿記1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目構成。合計が70点以上でも、1科目でも40%未満(足切り点)があると、問答無用で不合格になります。総合点が足りていても、苦手科目1つで落ちる——これが合格率を下げる、地味で怖い仕組みです。私が序盤に苦戦したのも、まさにこの足切りでした。

理由5:出題範囲が広く“捨て論点”を作りにくい

範囲が膨大で、ヤマを張りにくいのも特徴です。足切りがあるぶん、苦手分野もまるごと捨てるわけにいきません。「ここだけ完璧」では受からず、広く・しっかりが求められる。付け焼き刃が通用しにくいので、結果として合格率が上がりにくいのです。

合格点と配点の仕組みを正しく知る(足切りに泣かないために)

合格率の話とセットで知っておきたいのが、配点と合格判定の仕組みです。簿記1級は4科目それぞれ25点満点、合計100点。合格ラインは「合計70点以上、かつ各科目10点(40%)以上」です。

ここで多くの人が見落とすのが、後半の“各科目40%以上”という条件。たとえば3科目で高得点でも、1科目が9点なら不合格です。私も実際、総合点では惜しいのに足切りで落ちた経験があります。だから合格率を上げる現実的な近道は、得意科目を伸ばすことより“苦手科目を足切りラインの上に乗せる”こと。ここを外すと、どれだけ総合力があっても数字に弾かれます。

合格率が低い試験で「受かる人」と「落ちる人」の違い

受かる人:正しい手順をコツコツ続けられる人

私が1回目28点から70点まで伸ばせたのは、才能ではなく“やり方を固定してコツコツ積み上げた”からです。受かる人の共通点は、基礎の反復・過去問の繰り返し・足切り対策を、地味に最後まで続けられること。簿記1級はひらめきの試験ではなく、決まった論点を手を動かして体に入れる“積み上げ型”の試験です。

落ちる人:量はこなすのに“伸び方”を間違える人

落ちる人は、努力していないわけではありません。私自身、2〜3回目は量はこなしていたのに伸び悩みました。原因は、解きっぱなしで復習が薄い・新しい教材に次々手を出す・苦手科目の足切り対策を後回しにする、といった“伸び方のズレ”。頑張りの方向が少しずれるだけで、点は止まります。

体験:28点→55点→68点→70点で見えたこと

私の点数推移は、162回28点 → 164回55点 → 165回68点 → 167回70点で合格。累計3,168時間かかりました。伸びはじめたのは、教材を絞って“やることを固定し反復に振り切った”あと。最初の1年はネットスクールの通信講座で土台を作り、その後は独学寄りで仕上げました。合格率10%の壁は、正しい手順の継続で確実に近づきます。

他の簿記・資格と合格率を比べてみる

合格率10%が“どのくらい低いのか”は、他と並べると掴みやすいです。おおよその目安で比べてみます(いずれも回・年度によって変動します)。

日商3級:約40〜50% / 日商2級:約15〜30% / 日商1級:約10〜15% / 全経簿記上級:約15%前後 / 公認会計士・税理士:1級よりさらに上の難関

こう並べると、1級は「2級の延長」ではなく、一段“壁”を超える試験だと分かります。2級までは独学でサクッという人も、1級で初めて本気の壁にぶつかるのはこのためです。ただし会計士・税理士に比べれば、まだ「正しく努力すれば届く」レンジ。全経上級との細かい比較は、別記事(全経簿記上級と日商1級の比較)にまとめています。

合格率10%に“惑わされない”ための3つの考え方

最後に、数字に飲まれないための見方を3つ。

①相対評価=「全員に勝つ」のではなく「上位約10%に入ればいい」。やることは決まっています。②10%は初見の人も経験者も全部混ぜた数字。正しい手順を続ける人だけに絞れば、体感の合格率はもっと高い。③足切りだけは絶対に対策する。総合点が届いても苦手科目1つで落ちるので、苦手を捨てないこと。

数字を見て怖くなる必要はありません。怖がって挑戦をやめるのが一番もったいない。私のような低偏差値・高卒でも、やり方を固定して続ければ届きました。

簿記1級の合格率に関するよくある質問

合格率が回によって違うのはなぜ?

問題の難易度を調整して合格率を10%前後に着地させる運用のため、簡単な回・難しい回で数字が上下します。「今回は易しかった/難しかった」という体感は、実はこの調整の結果です。

簿記1級にネット試験の合格率はある?

2級・3級と違い、1級にはネット試験(随時受験)がありません。年2回の統一試験のみなので、合格率も統一試験の数字を見ます。

独学だと合格率はもっと下がる?

統計として“独学だけの合格率”は公表されていません。ただ、独学は質問相手やカリキュラムがない分、途中離脱しやすいのは事実。続けられる仕組みを作れるかが分かれ目です(独学の進め方は別記事にまとめています)。

初受験で受かる人はどのくらい?

公式の数字ではありませんが、私の体感では全受験者の3〜5%ほど。10%という数字には経験者も含まれるので、初挑戦のハードルは数字よりやや高いと考えておくと、心の準備ができます。

まとめ:簿記1級の合格率は約10%、でも“続けた人”の中ではもっと高い

  • 合格率は約10%(近年は12〜15%)。難易度調整で毎回その帯に収まる
  • 低い理由は「相対評価・母集団の高さ・経験者込み・足切り・範囲の広さ」
  • 受かる人は才能より“正しい手順の継続”。落ちる人は伸び方を間違えている
  • 他資格と比べると一段の壁だが、会計士・税理士よりは届くレンジ

「合格率は分かったけど、具体的にどのくらい難しいの?」という方は難易度の体感記事、「どう勉強すれば届くの?」は勉強法の記事、「何度も落ちてつらい」は“受からない人へ”の記事もどうぞ。合格率10%は、正しい手順を淡々と続けられる人にとっては、決して超えられない壁ではありません。コツコツが勝つコツです。

ぶんぶん

合格率10%台と聞くと不安だよね。でも僕も偏差値40・1回目28点から、4回目で70点を取って合格できた。勉強法の全部はKindle本(『日商簿記1級勉強法【改訂版】』)にまとめてるから、よかったらどうぞ。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

低偏差値高校卒業し、社会に出て『発達障害』と診断される。
人生逆転させるため心機一転、日商簿記検定に挑戦するが、簿記3級に4回落ちて絶望。
諦めず挑戦した結果、簿記の最高峰の『日商簿記1級』と『全経簿記上級』に合格する。

コメント

コメントする

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

【簿記学習に困ったら個別相談もOK】

簿記1級・2級・3級の質問・学習相談を、ココナラで受付中です。
★5.0/5件の評価で、初回返答1時間以内。
「テキストのこの部分が分からない」「自分の勉強計画は合ってる?」など、お気軽にご相談ください。

▶ ココナラで相談する

【ブログでは書ききれない実体験はKindle本にまとめました】

『日商簿記1級合格体験記』(Kindle)
3回不合格の心境、4回目で合格するまでのリアルな葛藤まで、ブログでは書ききれなかった内容を1冊にしています。

▶ Amazonで読む

【他のSNS・発信はこちら】

X(旧Twitter)、ブログ、他のKindle本、ココナラ全サービスを
lit.linkにまとめてあります。

▶ ぶんぶんの全リンクを見る

目次