「簿記の勉強は一通りしたけど、会計をもっと深く・面白く理解したい」「決算書を読める力を、本で身につけたい」——そんな方へ。
このページは、簿記1級を持つ私が実際に読んで役に立った“会計の本”を、レベル別に紹介する記事です。試験対策のテキストとは別に、会計そのものを楽しく・体系的に理解できる本を厳選しました。ここで挙げるのは、すべて実在する定番・名著だけです。
- 会計が苦手なら 入門書から(読み物として楽しめる本)
- 決算書を読みたいなら 財務3表・決算書の本へ
- 簿記1級の知識を深めたいなら 体系テキスト(桜井『財務会計講義』など)
- 試験対策の“テキスト・問題集”は別記事にまとめています(後半にリンク)
会計の本を読むと、何が変わる?
簿記の勉強は「仕訳のルール」を覚える作業になりがちです。でも会計の本を読むと、その仕訳が「会社の物語のどの部分なのか」が見えてきます。
私自身、簿記1級の勉強と並行して会計の本を読んだことで、決算書を“数字の羅列”ではなく“会社の状態”として読めるようになりました。ニュースで「営業利益が過去最高」と聞いたときに、それが何を意味するのかがスッと入ってくる。この感覚が、簿記の学習にも良い影響を与えてくれます。
ぶんぶん試験の点数を上げるだけなら過去問だけど、会計を“わかる”ようになると勉強が一気に面白くなる。遠回りに見えて、実は近道なんだ。
【入門】会計を楽しく学べる本
まずは、会計に苦手意識がある人でも読み進められる入門書から。読み物として面白いので、勉強の息抜きにもなります。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』
山田真哉(光文社新書)
160万部を超えたベストセラー。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」といった身近な疑問から会計の考え方を学べる一冊です。数字や計算はほとんど出てこないので、会計が苦手な人の“最初の1冊”に最適。会計って面白いかも、と思わせてくれます。
『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』
大手町のランダムウォーカー(KADOKAWA)
実在する企業の決算書をクイズ形式で読み解く人気book。「この決算書はどの会社?」と当てながら、自然と貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の見方が身につきます。楽しみながら決算書に慣れたい人におすすめ。
『【新版】財務3表一体理解法』
國貞克則(朝日新書)
シリーズ80万部超。BS・PL・CFの“つながり”を、取引ごとに3表を動かしながら理解するのが最大の特徴です。簿記で覚えた仕訳が、財務三表の上でどう動くのかが腑(ふ)に落ちます。決算書を「読む」から「つながりで理解する」へ進みたい人に。
【教養・経営】会計の見方が変わる本
会計を「歴史」や「経営」の視点から眺めると、暗記だった知識に意味が宿ります。
『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』
田中靖浩(日本経済新聞出版)
複式簿記が生まれた15世紀イタリアから現代まで、会計の歴史を“物語”として読める名著。なぜ減価償却が生まれたのか、なぜ株式会社と会計がセットなのか——背景を知ると、簿記のルールが「暗記」から「納得」に変わります。マンガ版(『マンガ 会計の世界史』)もあります。
『稲盛和夫の実学 経営と会計』
稲盛和夫(日経ビジネス人文庫)
京セラ・KDDIを創業し、JALを再建した名経営者による会計論。「会計がわからんで経営ができるか」という視点で、経営者が数字とどう向き合うべきかが語られます。会計を“経営の道具”として捉え直したい人に響く一冊です。
【中級〜資格】体系的に極める本
簿記1級で得た知識を、さらに体系的に固めたい人向けの定番テキストです。私が証券アナリスト1次の勉強でも使ったものを挙げます。
『財務会計講義』
桜井久勝(中央経済社)
1994年の初版以来読み継がれる、財務会計の大定番テキスト。公認会計士・税理士・証券アナリストなどの資格試験の基本書としても定番です。私も証券アナリスト1次の財務分析対策で使いました。網羅性が高く、「この論点の正確な定義は?」を確認する辞書的な使い方もできます。
『財務諸表分析』
桜井久勝(中央経済社)
同じ桜井久勝先生による、財務諸表分析の体系書。収益性・安全性・効率性などの指標を、理論的な裏づけとともに学べます。当ブログの財務分析の記事で「もっと深く知りたい」と思った論点を、腰を据えて確認するのに向いています。
【管理会計】数字で経営を考える本
財務会計(外部に見せる会計)だけでなく、社内の意思決定に使う管理会計を学びたい人へ。
『財務3表一体理解法「管理会計」編』
國貞克則(朝日新書)
入門で挙げた『財務3表一体理解法』の管理会計版。損益分岐点や意思決定会計を、財務3表とのつながりで理解できるのが強みです。同じ著者・同じ考え方なので、入門編を読んでから進むとスムーズです。
目的別・最初の1冊の選び方
たくさん挙げましたが、全部読む必要はありません。今の自分に合う1冊から始めてください。
| こんな人 | おすすめの入口 |
|---|---|
| 会計にまだ苦手意識がある | 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』でまず面白さを知る |
| 決算書を読めるようになりたい | 『世界一楽しい決算書の読み方』『財務3表一体理解法』 |
| 簿記1級の知識を体系的に深めたい | 桜井久勝『財務会計講義』 |
| 会計を教養・経営目線で味わいたい | 『会計の世界史』『稲盛和夫の実学』 |
迷ったら、会計が苦手なら『さおだけ屋』、決算書を読みたいなら『世界一楽しい決算書の読み方』から。ここで会計の面白さをつかんでから、体系書(桜井『財務会計講義』)に進むと挫折しにくいです。



おまけで、僕自身の本も。簿記1級の勉強法と4回受験の体験をまとめたKindle本『日商簿記1級勉強法【改訂版】』も出しています。会計の本ではなく“勉強法”の本ですが、これから簿記1級に挑む人にはよかったらどうぞ。
試験対策の「テキスト」との使い分け
この記事で紹介したのは、会計を理解・教養として深めるための“読み物・体系書”です。いっぽう、簿記1級に合格するための試験対策テキスト・問題集は、狙いが別なので分けて選ぶのがおすすめ。
試験に受かるためのテキストや問題集は、学習フェーズ別に別記事でまとめています。あわせて読むと、「試験対策の本」と「会計を深める本」を混同せずにそろえられます。
よくある質問(FAQ)
- 会計の本は何から読めばいいですか?
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会計に苦手意識があるなら『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』のような読み物系の入門書から始めるのがおすすめです。決算書を読めるようになりたいなら『世界一楽しい決算書の読み方』や『財務3表一体理解法』が向いています。まず1冊、会計の面白さをつかむところから始めましょう。
- 簿記のテキストと会計の本は何が違いますか?
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簿記のテキストは「試験に合格するための問題演習」が中心です。いっぽう会計の本(読み物・体系書)は、会計そのものを理解・教養として深めるためのもの。目的が違うので、試験対策のテキストは別記事で選ぶのがおすすめです(記事内にリンクがあります)。
- 簿記1級を持っていなくても読めますか?
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読めます。入門書(さおだけ屋・世界一楽しい決算書の読み方など)は簿記の知識がなくても楽しめます。桜井久勝『財務会計講義』のような体系テキストは、簿記2〜1級レベルの知識があると理解が早くなります。自分のレベルに合った本から始めてください。
- 会計の本は投資に役立ちますか?
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決算書を読む力は、投資先の企業を分析するうえで役立ちます。ただし、各書籍は会計の理解を深めるためのもので、特定の投資を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。簿記1級と投資の関係は別記事でも解説しています。
- 電子書籍(Kindle)でも読めますか?
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紹介した本の多くは電子書籍でも読めます。通勤などのスキマ時間に読みたい人は電子書籍、じっくり書き込みたい人は紙、と使い分けるのがおすすめです。桜井久勝『財務会計講義』のような辞書的に使うテキストは、紙のほうが引きやすい人も多いです。
まとめ:まず1冊、会計を面白がるところから
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 会計の本を読むと、簿記の知識が“会社の物語”として見えてくる
- 苦手なら入門書(さおだけ屋・世界一楽しい決算書の読み方)から
- 決算書のつながりは『財務3表一体理解法』で理解できる
- 体系的に極めるなら桜井久勝『財務会計講義』『財務諸表分析』
- 試験対策のテキストとは分けて選ぶ
会計の本は、勉強を「作業」から「面白い学び」に変えてくれます。ここで紹介したのは、すべて私が実際に読んで役立った実在の名著です。まず1冊、気になったものから手に取ってみてください。
















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