「簿記2級に合格したけど、次は何を目指せばいい?」と検索した方へ。
私は簿記2級合格後、簿記1級にステップアップして4回受験で合格しました。さらに全経簿記上級・証券アナリスト(CMA)と進み、Web制作の副業も並行している立場です。「2級の次に何を取るか」で迷った経験者として、進路選択の判断軸を共有します。
この記事では、簿記2級保持者の主な進路選択肢(税理士・簿記1級・FP・宅建・USCPA・CMA等)を、合格率・勉強時間・キャリア活用度の3軸で比較。「自分の目的に合う進路はどれか」を判断するための材料を提供します。
簿記2級保持者が選べる5つの進路
簿記2級合格後の進路は、大きく5つに整理できます。
進路1:税理士試験(5科目合格制)
税理士試験は、簿記論・財務諸表論・税法3科目(法人税/所得税/消費税/相続税など)の合計5科目を合格する国家試験。
最短でも4年、長くなれば10年以上かかる長期戦。合格すれば独占業務(税務代理・税務書類作成・税務相談)が得られて、開業も可能です。
「会計の最高峰を目指したい」「独占業務で安定収入を得たい」という方の王道ルート。
進路2:日商簿記1級(最上位の簿記資格)
日商簿記1級は、商工会議所が主催する民間資格で、簿記の最高峰。
合格率約10%、勉強時間500〜1,500時間(私は3,168時間)。独占業務はないですが、就職・転職市場で「会計の専門家」として認められます。
税理士試験の受験資格も得られる、コスパの良い選択肢です。
進路3:全経簿記上級(税理士受験資格の代替)
全経簿記上級は、全国経理教育協会が主催する簿記検定の最上位。
簿記1級と同じく税理士試験の受験資格が得られます。合格率約15%で、簿記1級より少しだけ受かりやすい設計。
「税理士を目指したいが、簿記1級に何度も落ちている」という方の救済ルートとしても機能しています。
進路4:他の人気資格(FP・宅建・社労士・USCPA・CMA)
簿記2級の知識を活かしつつ、別ジャンルの専門性を加える選択肢もあります。
・FP2級・FP1級(お金の基礎知識)
・宅地建物取引士(不動産業界で独占業務)
・社会保険労務士(労務分野で独占業務)
・USCPA(米国公認会計士)
・CMA(証券アナリスト)
「会計だけでなく、お金や法律の幅を広げたい」方向け。
進路5:資格を取らず実務スキル磨き
意外な選択肢ですが、「資格を取らない」も立派な選択です。
簿記2級レベルの知識で実務に十分足りる職場では、追加の資格より「Excel」「英語」「業界知識」などの実務スキルに時間を投資した方が、キャリアに直接効きます。
5つの進路を3軸で比較
主要な進路を一覧表で比較します。
合格率・勉強時間の比較表
| 進路 | 合格率 | 勉強時間 | 期間目安 |
| 税理士(5科目) | 各科目10〜20% | 4,000〜6,000時間 | 4〜10年 |
| 日商簿記1級 | 約10% | 500〜1,500時間 | 半年〜2年 |
| 全経簿記上級 | 約15% | 500〜1,000時間 | 半年〜1年 |
| FP1級 | 約10% | 500時間 | 半年〜1年 |
| 宅建 | 約15〜17% | 300〜400時間 | 3〜6ヶ月 |
| 社労士 | 約6% | 800〜1,000時間 | 1〜2年 |
| USCPA | 約50% | 1,000〜1,500時間 | 1〜2年 |
| CMA(1次) | 約45〜55% | 200〜400時間/科目 | 1〜2年 |
数字だけ見ると、税理士が圧倒的に重く、宅建が一番軽い。難易度と勉強時間に大きな差があります。
キャリア活用度の比較表
| 進路 | 独占業務 | 就職・転職 | 独立可能性 |
| 税理士 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 簿記1級 | × | 〇 | ▲ |
| 全経簿記上級 | × | ▲ | ▲ |
| FP | × | ▲ | 〇 |
| 宅建 | ◎ | 〇 | 〇 |
| 社労士 | ◎ | 〇 | ◎ |
| USCPA | × | ◎ | 〇 |
| CMA | × | 〇 | ▲ |
独占業務がある資格(税理士・宅建・社労士)は、独立可能性が高め。簿記1級・全経・FP・CMAは「専門性の証明」として機能するタイプです。
最短ルートで価値を出すなら?
「とにかく早く専門性を出したい」なら、宅建か簿記1級が現実的です。
・宅建:3〜6ヶ月で取得可能、独占業務あり
・簿記1級:半年〜2年、上位資格への足がかり
逆に、「最終的に最大の専門性を目指す」なら税理士。時間がかかるが、独占業務+独立可能のリターンが大きい選択肢です。
進路1:税理士試験を目指す場合
税理士を目指す方の特徴とハードルを整理します。
メリット:独占業務・開業可能・高収入
税理士の最大の魅力は、独占業務があること。税務代理・税務書類作成・税務相談は、税理士しかできません。
これにより、
・税理士事務所での就職
・税理士法人での勤務
・独立開業
など、収入源の選択肢が広がります。開業税理士の年収は1,000万円超も珍しくなく、高収入を目指せます。
デメリット:5科目合格まで最短4年・最長10年以上
ただし、税理士試験の合格までの道のりは長いです。
・5科目合格制(一度合格した科目は永久に有効)
・各科目の合格率10〜20%
・合計勉強時間4,000〜6,000時間
・最短でも4年、現実的には7〜10年以上
社会人受験生だと「5科目合格までに10年以上」が普通。長期戦に耐える覚悟が必要です。
こんな人におすすめ:税理士として独立したい/長期戦覚悟あり
以下の方は税理士ルートに向きます。
・最終的に独立開業したい
・10年単位の長期戦に耐えられる
・会計の最高峰を目指したい
・税法に興味がある
逆に、「短期で結果を出したい」「独立予定はない」方には、コスパが微妙です。
進路2:日商簿記1級を目指す場合
私自身が選んだルートです。
メリット:転職市場で強い・上位資格への足がかり
簿記1級のメリットは:
・転職市場で「会計の専門家」として認識される
・公認会計士・税理士の受験資格として機能
・税理士試験の科目免除制度の対象
・上場企業経理・監査法人・会計事務所の応募要件を満たす
私は美容師から保険会社のバックオフィス事務に転職する際、簿記1級が書類選考の通過率を大幅に上げてくれました。
デメリット:合格率10%・勉強時間1,000時間以上
簿記1級の難易度は侮れません。
・合格率約10%
・勉強時間500〜1,500時間(初学者・社会人だと2,000時間超もあり得る)
・私自身は4回受験・2年ちょっと・3,168時間で合格
「3〜6ヶ月で受かる試験」というイメージで挑むと、私のように何度も落ちます。最短でも半年、現実的には1〜2年の覚悟が必要です。
こんな人におすすめ:学歴コンプ上書きしたい/上位資格への通過点
以下の方は簿記1級ルートに向きます。
・学歴に自信がなく、専門性で勝負したい
・公認会計士・税理士・CMA・USCPAなどの上位資格を目指す通過点として
・上場企業経理・金融機関のキャリアに進みたい
・3,000時間規模の投資が許容できる
私自身、学歴コンプレックスの上書き+CMA受験の足がかりという2つの目的で、簿記1級を選んで正解でした。
進路3:全経簿記上級を目指す場合
簿記1級の代替・補完として有力な選択肢です。
メリット:税理士受験資格獲得・簿記1級より少し易しい
全経簿記上級のメリットは:
・税理士試験の受験資格が得られる(簿記1級と同等)
・合格率15%で簿記1級(10%)より少し受かりやすい
・出題範囲は簿記1級とほぼ同じ
・年2回試験で挑戦回数が増える
「税理士を目指したいが、簿記1級が取れない」「保険として両方持ちたい」方に向きます。
デメリット:世間の認知度は簿記1級より低い
ただし、世間一般の認知度では簿記1級に劣ります。
履歴書に「全経簿記上級」と書いても、業界外の人には「それ何?」となりがち。転職市場での見え方では、簿記1級の方が強いブランドを持ちます。
私は両方持っていますが、外部の人と話すときは「日商簿記1級」を前面に出すことが多いです。
こんな人におすすめ:税理士目指す途中の保険として
以下の方は全経簿記上級を併用する価値があります。
・税理士を目指している(受験資格として)
・簿記1級に何度も落ちていて、合格体験を取り戻したい
・両方持って税理士受験資格の保険にしたい
私は「簿記1級3連続不合格」のメンタル回復の意味も含めて、全経簿記上級を挟みました。その経験が、結果として簿記1級4回目の合格に繋がりました。
進路4:他の人気資格に進む場合
簿記2級の知識を別分野に広げる選択肢です。
FP2級:お金の基礎知識を体系的に
FP2級は「お金全般の基礎知識」を体系的に学ぶ資格です。
簿記2級が「企業会計」をカバーするのに対し、FPは「個人のお金(保険・税金・年金・不動産・相続)」をカバー。両方持つと、「個人と企業のお金の両方が分かる人」になれます。
合格率約40%、勉強時間150〜200時間。簿記2級より圧倒的に取りやすい資格です。
宅建:不動産業界で独占業務あり
宅地建物取引士は、不動産業界で独占業務がある国家資格です。
「重要事項説明書」の作成・説明は、宅建士しかできません。不動産業界への転職を考えるなら必須資格。
合格率約15〜17%、勉強時間300〜400時間。
社労士:労務分野の独占業務
社会保険労務士は、労務・社会保険分野で独占業務がある国家資格です。
労使関係のスペシャリストとして、独立開業も可能。簿記2級+社労士で「経理・労務の両方が分かる人」というポジションが取れます。
合格率約6%、勉強時間800〜1,000時間。
USCPA・CMA:英語×会計/金融分野
国際的なキャリアを目指す方向け:
・USCPA(米国公認会計士):英語で会計のプロを名乗れる
・CMA(証券アナリスト):金融分野の専門資格
私はCMA1次を受験済み(2026年6月発表予定)。簿記1級の財務分析知識がそのまま活きました。
それぞれの特徴と簿記2級との相性
簿記2級保持者が次に進むなら、私の体感での相性は以下の通り:
・税理士: ★★★★★ (簿記2級が直接活きる)
・簿記1級: ★★★★★ (簿記2級の延長線上)
・全経簿記上級: ★★★★★ (簿記1級と同じ)
・FP: ★★★ (お金の話で重なる部分あり)
・宅建: ★★ (簿記との直接的な関連は少ない)
・社労士: ★★ (簿記との関連は少ない)
・USCPA: ★★★★★ (簿記1級→USCPAが王道)
・CMA: ★★★★ (簿記1級の財務分析が活きる)
会計系を深めるなら税理士・簿記1級・USCPA・CMA、別分野を広げるならFP・宅建・社労士、という棲み分けです。
進路5:資格を取らず実務スキル磨き
意外と見落とされがちですが、有力な選択肢です。
Excel・英語・業界知識など
簿記2級+以下のスキルを磨く戦略もあります:
・Excel(関数・マクロ・VBA)
・英語(TOEIC700〜800点以上)
・特定業界の知識(IT・医療・建設など)
・プログラミング(Python・SQL)
・データ分析(BIツール・統計)
これらは資格ではないですが、実務で直接価値を出せるスキルです。
資格より実務経験が評価される職種もある
職種によっては、資格より実務経験・スキルが評価されます。
・スタートアップの経理:Excel・スピード・適応力
・中小企業の経理:幅広い業務対応力
・経理BPO:作業効率・正確性
これらの職種では、簿記1級を取る時間を実務経験に振った方が、キャリアに直接効きます。
簿記2級で十分な職場ならこの選択もアリ
「自分の職場では簿記2級で十分」と感じるなら、資格を取らない選択も合理的です。
3,000時間を別のスキルに振った方が、結果として給料が上がる可能性もあります。「資格 = キャリアアップ」と決めつけず、自分の状況で最適解を選んでください。
私の選択:簿記2級→1級→全経→CMA→Web制作副業の経緯
私自身の進路選択の経緯を共有します。
2級取得後すぐに1級を選んだ理由
簿記2級合格後、私はすぐに簿記1級を目指すことを決めました。理由は3つ:
1. 美容師から会計系の事務職に転職したかった
2. 「学歴コンプレックスの上書き」になる資格が欲しかった
3. 簿記2級だと専門性として弱いと感じた
税理士も検討しましたが、「5科目合格まで10年」のスパンは私には長すぎると判断。簿記1級なら「半年〜2年で取れる」と思って選択しました(実際は2年ちょっとかかりました)。
CMA・全経簿記上級へ広げた経緯
簿記1級合格後、次のステップとしてCMA(証券アナリスト)と全経簿記上級を選びました。
・CMA: 簿記1級の財務分析知識が活きる + 金融分野に広げたい
・全経簿記上級: 税理士試験の受験資格の保険 + 簿記1級の「腕試し」として
「1つの資格に集中」より、「複数の資格を組み合わせて差別化」という戦略です。
「資格は次の挑戦の土台」という考え方
簿記1級合格後、Web制作の副業も始めました。これは資格とは無関係ですが、「会計知識のあるWeb制作者」というポジションを取れる差別化軸になっています。
つまり、簿記1級は「終着点」ではなく「次の挑戦の土台」として活用しています。これがおすすめの考え方です。
あなたに合う進路を選ぶ3つの判断軸
「自分はどの進路を選ぶべき?」を判断するための3つの軸を提示します。
判断軸1:時間の余裕
長期戦に耐えられるかどうか:
・10年単位の覚悟あり → 税理士
・2〜3年の覚悟あり → 簿記1級・USCPA・CMA・社労士
・1年以内に結果が欲しい → 宅建・FP
判断軸2:キャリアの方向性(独占業務 vs 専門性)
独占業務が欲しいか、専門性の証明で十分か:
・独占業務が欲しい → 税理士・宅建・社労士
・専門性の証明で十分 → 簿記1級・FP・USCPA・CMA
判断軸3:目的(収入UP/転職/独立/自己成長)
何のために資格を取るか:
・独立開業したい → 税理士・社労士
・転職で書類選考通過率を上げたい → 簿記1級
・キャリアの幅を広げたい → FP・宅建・USCPA
・自己成長・知識欲 → 簿記1級・税理士
・趣味の延長 → どの資格でもOK
まとめ:正解は人それぞれ。「自分の目的」から逆算で選ぶ
簿記2級から始めて1級・全経・CMA・副業まで広げた立場から、最後に結論をまとめます。
・簿記2級の次の進路は5つ:税理士・簿記1級・全経簿記上級・他資格(FP/宅建/社労士/USCPA/CMA)・実務スキル磨き
・合格率・勉強時間で見ると、税理士が最重・宅建が最軽
・キャリア活用度では、独占業務がある資格(税理士・宅建・社労士)が独立に強い
・私の選択は「簿記1級→全経→CMA→Web制作副業」のハイブリッド型
そして、伝えたいのは:
「『絶対の正解』はない。自分の目的から逆算で選ぶ」
世間で「税理士が一番すごい」「簿記1級が王道」と言われても、それがあなたに合うとは限りません。
・時間の余裕
・キャリアの方向性
・目的(収入UP/転職/独立/自己成長)
これら3つを自問してから、進路を選んでください。
私のように「複数の資格を組み合わせて差別化」という戦略もアリです。「1つに絞らないと」と思い込まず、自分のキャリアに合う組み合わせを考えてみてください。
簿記2級合格は、会計の世界の入り口に立った証拠。ここから先の道は無数にあります。
これから進路を選ぶ方が、自分にとって最適な選択ができることを願っています。一緒に次のステージへ進みましょう。

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