「簿記1級って、結局どれくらい勉強すれば受かるの?」——挑戦を考えたとき、いちばん気になるのが勉強時間ではないでしょうか。仕事や家事と両立できるのか、何ヶ月くらいで終わるのか、見通しが立たないと一歩を踏み出しにくいですよね。
この記事では、一般的に言われる勉強時間の目安と、私自身が4回受験で実際にかけた3,168時間というリアルの両方をお伝えします。さらに「1日◯時間なら何ヶ月で終わるか」という現実的なスケジュールの立て方まで、初心者の方にもわかるように解説します。
簿記1級の勉強時間は「一般的に500〜1,000時間」が目安
まずは結論:必要時間の相場
簿記1級の勉強時間は、一般的に500〜1,000時間が目安と言われます。かなり幅がありますが、これは「もともとの簿記の知識」「1日に取れる時間」「教材や勉強法の効率」によって、必要な時間が大きく変わるからです。
ざっくり言えば、簿記2級にスムーズに合格できた人で500時間前後、つまずきながら進める人だと1,000時間以上かかる、というイメージです。
3級・2級と比べてどれくらい増えるのか
簿記検定の勉強時間の目安を並べると、レベルが上がるごとに必要時間がぐっと増えるのがわかります。
| 級 | 勉強時間の目安 |
|---|---|
| 簿記3級 | 50〜100時間 |
| 簿記2級 | 200〜350時間 |
| 簿記1級 | 500〜1,000時間 |
2級から1級で、必要時間がだいたい2〜3倍にはね上がります。「2級の延長」と思って挑むと、想像以上の量に面食らうことが多いです。1級は範囲が広く、理論の理解も求められるので、別物の試験だと考えておくと安全です。
「人によって大きく変わる」のが正直なところ
正直に言うと、この「500〜1,000時間」はあくまで平均的な目安です。一発で受かる人もいれば、私のように何度か受験して合計2,000時間、3,000時間とかかる人もいます。
大事なのは、目安の数字に振り回されすぎないこと。「最低でもこれくらいはかかる」という心構えとして使うのがちょうどいいです。
【実体験】私は合格まで3,168時間かかりました
ここからは、きれいごとではなく私のリアルな数字をお話しします。
1回目(162回)の受験までに1,536時間
私が最初に簿記1級を受験した162回までに、すでに1,536時間を投じていました。それでも結果は28点。合格ラインの70点には遠く及びませんでした。
1,500時間以上やっても最初は28点だったわけです。これは「簿記1級がいかに手強いか」を物語っていると思います。
4回受験・約2年ちょっとの時間の使い方
最終的に合格するまで、私は4回受験し、累計3,168時間を費やしました。期間にすると約2年ちょっとです。
時間の使い方の内訳は、ざっくり次のような流れでした。
- 最初の約1年:通信講座(ネットスクール)でインプット中心に基礎を固める
- その後の約1年半:手持ちの教材に市販の問題集・過去問を足して、ひたすらアウトプット
前半でしっかり土台を作り、後半は問題演習に時間を振り切ったイメージです。
なぜ相場より時間がかかったのか
相場の上限である1,000時間を大きく超えてしまった理由は、はっきりしています。
一つは、もともと偏差値40の高卒で、勉強の地力が高くなかったこと。もう一つは、過去問演習に入るのが遅く、「テキストは理解できるのに問題が解けない」期間が長かったことです。
逆に言えば、ここを最初から意識して早めに過去問へ取りかかれば、私より短い時間で合格できる可能性は十分にあります。
何ヶ月で受かる?期間の現実的な見積もり
「時間」がわかったら、次は「期間(何ヶ月)」に落とし込みましょう。
1日の勉強時間別・合格までの月数の目安(表)
ここでは、目安として800時間を必要時間と仮定し、1日の勉強時間ごとに、合格までにかかるおおよその月数を出してみます。
| 1日の勉強時間 | 合格までの目安 |
|---|---|
| 2時間 | 約13ヶ月 |
| 3時間 | 約9ヶ月 |
| 5時間 | 約5〜6ヶ月 |
もちろんこれは計算上の目安です。私のように複数回受験すると、2年以上かかることも普通にあります。
年2回の試験日から逆算してスケジュールを組む
簿記1級の試験は、年2回(6月と11月)です。受けられる回が限られているので、「次のどの回で受けるか」を先に決めて、そこから逆算して勉強量を割り振るのがコツです。
例えば「1日3時間で9ヶ月」が見込みなら、9ヶ月後にいちばん近い試験回を目標にする、という具合です。ゴールの日付が決まると、1日にやるべき量が自然と見えてきます。
受ける試験回を決める
簿記1級は年2回(6月・11月)。まずは「次にどの回で受けるか」を決めます。
必要な日数を計算する
必要時間(例:800時間)を1日の勉強時間で割ります。1日3時間なら約267日=約9ヶ月です。
試験日から逆算して割り振る
ゴールの日付が決まったら、1週間・1日単位でやる量に落とし込みます。
「短期合格」を狙うときの注意点
ネットには「3ヶ月で合格」といった短期合格の体験談もあります。ただ、それは1日に何時間も確保できる人や、もともと会計の素地がある人のケースが多いです。
社会人で1日2〜3時間が限界なら、半年〜1年は見ておくほうが現実的です。無理なスケジュールは挫折のもとなので、最初は少し余裕を持たせて組みましょう。
勉強時間をムダにしない科目別の時間配分
同じ時間をかけても、配分次第で伸び方は変わります。
商業簿記・会計学/工業簿記・原価計算の比重
簿記1級は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目です。範囲の広さで言えば商業簿記・会計学のボリュームが大きいですが、工業簿記・原価計算は「パターンを覚えれば安定して得点しやすい」科目でもあります。
どれか1科目でも40%未満だと足切りで不合格になるので、得意科目に偏らず、4科目をバランスよく回す時間配分が大切です。
インプットよりアウトプットに時間を割く
時間配分でいちばん意識してほしいのが、インプットとアウトプットの比率です。テキストを読む・講義を見るだけでは点は伸びません。
目安はインプット3割・アウトプット7割。手を動かして問題を解き、間違えて、解き直す。この時間にこそ、いちばん力がつきます。
過去問にかける時間が合否を分ける
私が合格できた一番の要因は、過去問演習の量を増やしたことでした。特に苦手だった工業簿記・原価計算は、過去問を35回分まで回しました。
過去問は「本番で何が問われるか」を体に覚えさせる作業です。ここに十分な時間を割けるかどうかが、合否を大きく左右します。
社会人が勉強時間を確保する方法
受験生そんなに時間、どこから出せばいいんですか…?毎日へとへとで、まとまった時間なんて取れません。



まとまった時間はいらないよ。通勤や昼休みのスキマを積み上げれば、1日1〜2時間は意外と作れる。僕も限られた時間をやりくりして受かったから、コツを教えるね。
スキマ時間を積み上げる(通勤・昼休み)
まとまった時間が取れなくても、通勤中、昼休み、寝る前の10分といったスキマ時間を積み上げれば、1日1〜2時間は意外と作れます。
スマホを見ている時間を、1問でも仕訳を解く時間に置き換える。この小さな積み重ねが、半年後には大きな差になります。
モチベに頼らず「習慣化」する
長期戦では、モチベーションは必ず下がります。だからこそ、やる気に頼らず「毎日決まった時間に机に向かう」を習慣にしてしまうのが、いちばん楽で続く方法です。
私自身、合格した今でも勉強が習慣になっていて、やらないと逆に気持ち悪いくらいです。
続かないときの立て直し方
それでも続かない時期は誰にでもあります。そんなときは、なぜ簿記1級を目指したのか、その原点を思い出してみてください。
「資格を取って自信をつけたい」「キャリアを変えたい」——理由は何でもかまいません。原点に戻ると、また机に向かう力が湧いてきます。
簿記1級の勉強時間に関するよくある質問
- 簿記1級は独学で合格できますか?
-
可能です。ただ最初の基礎づくりは通信講座などを使うと挫折しにくいです。私も前半は通信講座で土台を作り、後半は市販教材で独学に切り替えました。
- 働きながらでも合格できますか?
-
できます。1日1〜2時間でも、スキマ時間を積み上げて習慣化すれば十分に積み上がります。年2回の試験日から逆算して計画を立てるのがコツです。
- 最短どれくらいで合格できますか?
-
1日に長く時間が取れる人や会計の素地がある人なら半年前後の例もあります。社会人で1日2〜3時間なら、半年〜1年を見ておくと現実的です。
まとめ:勉強時間は「量 × 正しいやり方」で決まる
最後に要点をまとめます。
- 簿記1級の勉強時間は一般的に500〜1,000時間が目安(3級・2級の2〜3倍)
- 私は4回受験で累計3,168時間(1回目までに1,536時間)かかった
- 何ヶ月かは「必要時間 ÷ 1日の勉強時間」で逆算し、年2回の試験日に合わせる
- 同じ時間でもアウトプット・過去問に多く割くほど効率が上がる
- 社会人はスキマ時間と習慣化で時間を作る
勉強時間は、ただ長ければいいわけではありません。「量」と「正しいやり方」の掛け算で決まります。偏差値40の私でも、時間はかかりましたが最後は合格までたどり着けました。あなたのペースで、コツコツ積み上げていきましょう。



ここまで読んでくれてありがとう。勉強法と4回受験の体験を一冊にまとめたKindle本も出してるよ(『日商簿記1級勉強法【改訂版】』)。低偏差値・発達障害の僕が4回目で受かるまでの全部を書いたから、よかったら合間にどうぞ。













